永代供養の相場は?お寺の宗派や埋葬方法の違いによる注意点

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永代供養の意味と各種類

「永代供養」という言葉を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

 

しかし同時に、この言葉はかなり解説が難しいものでもあります。

 

今回は、「永代供養とは何か」を取り上げつつ、その埋葬方法の違いについても解説していきます。

永代供養とは何か

永代供養について詳しく知る

まず、「永代供養とは何か」を解説していきます。

 

かつてお墓というのは、各家の祭祀継承者が受け継ぎ、次世代へと渡していくのが一般的でした。

 

しかし少子化が進んだこと、また地元に帰らないで新天地で過ごす人が多くなったこと、そしてお墓や家に対してこだわりを持つ人が少なくなっていったことから、「お墓を継ぐ人」がいなくなるというケースもよく見られます。

 

このような考え方に対応するかたちで出てきたのが、「永代供養」です。

 

永代供養とは、宗教施設などの特定の施設が、永代にわたり責任を持って供養をしてくれることです。

 

「永代供養」としてはいますが、ある程度の期間(三十三回忌など)をもって弔いあげとされます。

 

永代供養には、大きく分けて「個人墓でかつ永代供養でお願いする」という場合と、「最初から合祀(合葬)墓に安置してもらう」という方法の2通りがありますが、前者の場合でも弔いあげをもって合祀されることが基本です。

 

このため、永代供養といっても永遠にずっと遺骨を残した状態で供養される訳ではない事を理解する必要があります。

 

一度合祀(ごうし)されてしまうと、そのお骨は後で取り出すことはできません。

※合祀とは他の人の遺骨も一緒の場所に埋葬するという意味

 

そのため、「母が亡くなった。自分は現役時代が終わるまでの40年間は地元に戻らない。しかし戻ったら改めて手元に引き取り、また個別でお墓をたててそこに納めたい。自分の後を継ぐ子どももいる」というような場合は、弔い方に注意が必要です。

 

たとえば三十三回忌をもって合祀とするとしているところに「永代供養」をお願いした場合、地元に戻ってきてからお骨を取り出すことができなくなる可能性が極めて高いからです。

 

ちなみに、樹木葬(木の下などにお骨をうずめるタイプの埋葬方法)もまた、永代供養の一種類として取り上げられることもあります。

 

上記の状況の場合は、永代供養ではなく一時預骨が適切でしょう。

 

一時預骨は、公営・民営・寺院それぞれ受け入れ可能な施設があります。

 

毎年、2万円程度の預骨料を支払えば期間を問わずに預かってもらえます。

 

しかし、長期で預ける場合は支払った合計額が高額になりますので、他の選択肢を検討した方が良いといえます。

 

ちなみに、自宅に遺骨を置く事に抵抗がない人の場合は、それも選択肢の一つです。

 

その場合は、費用は一切かかりません。

 

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永代供養の相場と種類

永代供養の相場と種類に関して

さて、「永代供養」と一口にいっても、その種類はさまざまです。

 

単独墓

まず、上でもあげた「個別のお墓」を単独墓といいます。

 

これは最初のころは個別のお墓に安置しておき、時間が経ったらお骨を取り出して合祀するもので、最も費用のかかる永代供養です。

 

施設によって値段に差はありますが、30万円~200万円程度とかなり金額に開きがあるのが特徴です。

 

後継者がいないため、永代供養を前提で一般形のお墓を建てるというイメージです。

 

そのため、建てるお墓の石種やデザイン等によって費用に差がでる場合が多いです。

 

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納骨堂

なお、合わせて考えたいものに「納骨堂」があります。

 

これは「お墓」というかたちではなく、屋内にある仏壇(ロッカー型のものなどもある)にお骨を納めるものです。

 

こちらは、遺骨一体のみ入るタイプか、家族で複数体入るタイプなのかによって費用が違います。

 

地方の一般的な遺骨一体が入るタイプの納骨堂でしたら、20~30万円程度の場合が多いです。

 

また、都市部の最新式のシステムが導入された納骨堂は、100万円以上の費用がかかるところもあります。

 

関連記事:納骨堂の意味は?費用と選び方に合祀墓と永代供養墓との違い

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集合墓

一つの石塔や樹木などをシンボルとて、複数の他の人の遺骨と納骨スペースのみ分けられて納骨されるタイプのお墓です。

 

多くの樹木葬も集合墓に該当するといえます。

 

他の永代供養と同様に三十三回忌などの一定の期間が過ぎると、後は合祀(合葬)されます。

 

費用は20~30万円程度が多いです。

 

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合祀(合葬)墓

これまで見てきた永代供養は、一定の期間以降に合祀(合葬)するパターンでしたが、最初から合祀(合葬)にする場合は、費用は非常に安く抑えられます。

 

合祀の場合は、10万円前後の費用でできるところが多く、金銭的な負担が非常に少ないのが特徴です。

 

合祀の場合は永代供養も含めて行ってくれる方法と、供養はせずにただ合祀として埋葬する方法の2通りがある施設もありますので、事前に確認する必要があります。

 

関連記事:合葬墓とは?公営と民営の費用相場から納骨堂との違いも解説

 

 

先祖代々のお墓を永代供養する方法

先祖代々のお墓の永代供養方法

現在、菩提寺にあるお墓を継承する人がいないため、自身が健在なうちに永代供養を依頼するという事も基本的には可能です。(菩提寺の永代供養可能施設の有無にもよります)

 

菩提寺の住職にその旨を相談して、事前に永代供養料と墓地撤去(墓じまい)費用を支払えば、自身が亡くなった後に先祖と共に永代供養が可能です。

 

この場合の費用は、墓地の撤去費用(平米あたら10~15万円)と永代供養料です。

 

永代供養料は、先祖の遺骨の数によっても変わる場合がありますので、事前に菩提寺に確認する必要があります。

 

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永代供養と宗教・宗派について

永代供養を依頼する際に理解しておく必要がある宗旨・宗派の違い

永代供養を検討するうえで、頭に入れておかなければならないのが「宗教・宗派による考え方の違い」です。

 

民間の納骨堂などの場合は、多くの場合、「宗教・宗派不問」となっており、どのような信仰を持っている人であっても安置できる可能性が高いといえるでしょう。

 

また、現在は寺院でもこのスタンスをとっているところもあります。

 

対して、「仏教で在来仏教ならば宗派は問わない」としているところもあります。

 

在来仏教とは、天台系・浄土系・日蓮系などに分かれていますが、昔からある伝統を持った仏教の信徒のみを対象としています。

 

ちなみに「仏教系のお寺でも、ほかの宗教・宗派の人でも埋葬できる」となっているところの場合、「ただし、戒名(法名)などの付け方はお寺に任せてもらう」とされているケースもあります。

 

もう少し踏み込んだところでは、「過去の宗教・宗派は問わないが、永代供養をされる場合は該当施設の宗派(お経)となる」としているところもあります。

 

「どのような宗教・宗派の人ならば入ることができるか」は、「お寺ならばこう、浄土真宗の場合はこう」というように言い切ることはできません。

 

民間の納骨堂がさまざまな宗教・宗派を受け入れているのはたしかですが、お寺の場合はそれぞれのお寺によって見解が違う場合もありますが、基本的には各寺院の宗派の教義があり、それに沿った方法で供養を行うと言えます。

 

特定の宗教への信仰心がある人以外、在来仏教であればどの宗派であっても定期的な読経で、永代にわたって手厚く供養してもらえるのであれば、どこでも構わないという考えの人が多いです。

 

関連記事:お墓を建てる前に知るべき仏教の事|宗派による違いは何?

 

 

まとめ

このように、永代供養施設によって、かかる費用やその後の供養方法も様々です。

 

ここで選択を間違ってしまうと、弔いをお願いする方としてもお願いされる方としても、また何よりも故人の気持ちとしてもとてもつらいものです。

 

永代供養をする前に、「その施設は、宗教や宗派に対してどのようなスタンスでいるのか」「合祀はいつのタイミングで行われるのか」「費用はどれくらいかかるのか」をしっかりと確認しておく必要があるといえます。

 

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