石材店で10年、1,000件超のお墓づくり・墓石工事に関わった経験をもとに、施餓鬼の案内が届いたときのお墓参り、卒塔婆、石材店への確認事項について解説します。
最終更新日:2026年6月23日
※施餓鬼の呼び方、時期、お布施、卒塔婆の扱いは、宗派・寺院・地域によって異なります。実際に参加・欠席・申込みをする際は、必ず寺院からの案内を確認してください。
お寺から「施餓鬼法要」「施食会」「お施餓鬼」などの案内が届き、行くべきか迷っている方も多いと思います。
特に、初めて案内を受け取った場合は、「施餓鬼とは何をする法要なのか」「行かないと失礼なのか」「お布施はいくら包めばよいのか」「卒塔婆は申し込むべきなのか」が分かりにくいものです。
この記事では、施餓鬼の意味、参加しない場合の考え方、お布施・卒塔婆料の目安、服装・持ち物、寺院へ確認すべき点を整理します。
この記事の結論
施餓鬼は、餓鬼道にある存在や無縁の霊に施しを行い、先祖や故人の供養にもつなげる法要として行われることがあります。法律上、必ず参加しなければならないものではありませんが、菩提寺や親族との関係がある場合は、欠席の連絡や卒塔婆・お布施の扱いを確認しておくと安心です。
この記事の要点
- 施餓鬼は、餓鬼や無縁の霊に施しを行う法要として営まれることがある
- 寺院によっては「施食会」「お施餓鬼」など別の呼び方をする
- 必ず参加しなければならないものではないが、欠席時は連絡しておくと丁寧
- お布施や卒塔婆料は寺院の案内を優先する
- 宗派によって考え方が異なるため、特に不安がある場合は菩提寺に確認する
施餓鬼とは
施餓鬼とは、仏教において餓鬼道にある存在や無縁の霊に食べ物や供養を施す法要として行われるものです。寺院によっては「施食会(せじきえ)」「お施餓鬼」などと呼ばれることもあります。
一般の方にとっては、先祖供養やお盆の法要と近い感覚で案内されることもありますが、本来は「特定のご先祖だけを供養する法要」というより、広く施しを行う意味を持つ行事です。
ただし、施餓鬼の位置づけや呼び方は宗派・寺院によって異なります。案内状に「施餓鬼」「施食会」「盂蘭盆会」などと書かれている場合でも、実際に何を行うかは寺院ごとの説明を確認しましょう。
施餓鬼はいつ行われる?
施餓鬼は、お盆の時期に合わせて行われることが多い法要です。地域や寺院によっては、7月盆・8月盆の時期、または春や秋に行うこともあります。
「施餓鬼は必ずこの日」と全国で決まっているわけではありません。寺院から案内が届いた場合は、案内状に書かれている日時、受付時間、卒塔婆申込みの締切、持ち物を確認してください。
新盆を迎える家庭では、「初施餓鬼」「新盆施餓鬼」などの形で案内されることもあります。初めて参加する場合は、通常の施餓鬼と準備が異なることもあるため、寺院からの案内をよく確認しましょう。
施餓鬼法要に行けない・行かない場合はどうする?
施餓鬼法要は、法律上、必ず参加しなければならないものではありません。仕事、体調不良、遠方に住んでいる、家族の予定が合わないなどの理由で参加できないこともあります。
そのため、施餓鬼に行けないこと自体が、すぐに失礼になるわけではありません。ただし、菩提寺との付き合いがある場合や、毎年家族が参加している場合は、何も連絡しないまま欠席すると、卒塔婆やお布施の扱いで迷いが残ることがあります。
参加できない場合は、寺院へ早めに連絡し、「欠席してもよいか」「お布施はどうすればよいか」「卒塔婆だけ申し込めるか」を確認しておくと安心です。
欠席しても失礼とは限らない
施餓鬼は、寺院ごとの年中行事として案内されることが多く、すべての家庭が毎年必ず参加しているとは限りません。
特に、遠方に住んでいる方や高齢の方、仕事の都合で日程が合わない方は、欠席することもあります。大切なのは、参加できないことを放置せず、必要に応じて寺院へ一言連絡しておくことです。
欠席する場合は寺院へ早めに連絡する
案内状に「出欠連絡」「卒塔婆申込み」「お布施の受付」などの記載がある場合は、その期限までに寺院へ連絡しましょう。
欠席の理由を細かく説明する必要はありません。参加できないこと、卒塔婆やお布施の扱いを確認したいことを簡潔に伝えれば十分です。
電話で伝える例
「いつもお世話になっております。〇〇家の〇〇です。施餓鬼法要のご案内をいただきましたが、当日は都合により参列が難しい状況です。卒塔婆やお布施について、どのようにさせていただくのがよいか確認したくお電話しました。」
お布施だけ渡す・送る場合は寺院に確認する
施餓鬼に行けない場合でも、お布施だけを事前に持参する、後日持参する、寺院の案内に従って送るなどの対応ができることがあります。
ただし、お布施の渡し方は寺院によって異なります。現金書留で送る場合、手紙を添える場合、次回の法要時に渡す場合など、対応が分かれるため、自己判断で送る前に必ず寺院へ確認しましょう。
卒塔婆だけ申し込める場合もある
施餓鬼に参列できなくても、卒塔婆だけ申し込める寺院もあります。
案内状に卒塔婆申込み欄がある場合は、故人名、戒名、施主名、申込み本数、締切日を確認しましょう。欠席する場合でも、卒塔婆を立てるかどうかは寺院や家族に確認して決めると安心です。
家族に代理で参加してもらう方法もある
自分が参加できない場合、近くに住む家族や親族に代理で参加してもらう方法もあります。
ただし、受付で名前を伝える必要がある場合や、お布施・卒塔婆料を預ける場合もあるため、代理で参加する方に案内状の内容を共有しておきましょう。
| 欠席時の対応 | 確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 寺院へ欠席連絡をする | 出欠連絡の期限、伝え方 | 案内状がある場合は早めに連絡する |
| お布施だけ渡す | 事前持参、後日持参、郵送可否 | 自己判断で送らず寺院に確認する |
| 卒塔婆だけ申し込む | 申込み期限、故人名、施主名、本数 | 寺院や親族の慣習も確認する |
| 家族に代理参加してもらう | 受付方法、お布施の預け方 | 案内状の内容を共有しておく |
施餓鬼のお布施はいくら包む?
施餓鬼のお布施は、寺院や地域によって大きく異なります。案内状に金額の目安が書かれている場合は、その内容を優先してください。
案内がない場合、施餓鬼のお布施は3,000円から1万円程度を目安として考える方もいますが、これはあくまで一般的な目安です。檀家としての関係、法要の規模、卒塔婆の有無、地域の慣習によって変わります。
初施餓鬼や新盆施餓鬼の場合は、通常の施餓鬼とは別に案内があることもあります。初めて参加する場合ほど、自己判断で金額を決めず、寺院の案内や親族の慣習を確認しておくと安心です。
お布施と卒塔婆料は分けて考える
卒塔婆(そとうば)は、供養のために立てる細長い木の板のことで、一般には「塔婆」と呼ばれることもあります。施餓鬼では、お布施とは別に卒塔婆料が必要になる場合があります。
卒塔婆を申し込む場合、1本あたり3,000円から5,000円程度の例が多いものの、寺院ごとに金額が定められていることもあります。
「お布施に卒塔婆料が含まれているのか」「別で包むのか」は寺院によって異なります。不安な場合は、案内状を確認するか、寺院へ直接聞くのが確実です。
| 項目 | 目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| お布施 | 3,000円から1万円程度を目安にする例がある | 寺院の案内を優先する |
| 卒塔婆料 | 1本3,000円から5,000円程度の例が多い | 寺院ごとに定められている場合がある |
| 卒塔婆の申込み | 事前申込みが必要なことが多い | 締切日を確認する |
施餓鬼の封筒の書き方
施餓鬼のお布施を包む場合、白無地の封筒や奉書紙を使うことが一般的です。表書きは「御布施」とすることが多いですが、寺院によっては案内に指定がある場合もあります。
卒塔婆料を別で包む場合は、「御塔婆料」「塔婆料」などと書くことがあります。こちらも寺院の案内に従うのが安全です。
水引については、法要の性質や地域によって考え方が分かれます。迷う場合は、無地の白封筒を選び、寺院へ確認すると失礼になりにくいです。
施餓鬼塔婆とは?申し込み方と費用の目安
施餓鬼塔婆とは、施餓鬼法要にあわせて立てる卒塔婆のことを指して使われることがある言葉です。寺院の案内では「施餓鬼塔婆」「お施餓鬼塔婆」「卒塔婆」「塔婆申込み」など、表記が異なる場合があります。
卒塔婆は、供養のために立てる細長い木の板のことで、故人や先祖の供養として申し込むことがあります。施餓鬼法要では、お布施とは別に卒塔婆料が必要になる場合があります。
ただし、施餓鬼で卒塔婆を申し込むかどうかは、寺院や家庭の考え方によって異なります。案内状に申込み欄がある場合でも、必ず全員が申し込まなければならないとは限りません。
施餓鬼塔婆は誰のために申し込む?
施餓鬼塔婆は、亡くなった家族、先祖代々、水子、無縁の霊など、寺院の考え方や家庭の事情に応じて申し込むことがあります。
ただし、誰の名前で申し込むか、戒名を書くのか俗名でよいのか、先祖代々でまとめられるのかは寺院によって異なります。案内状の記載を確認し、不明な場合は寺院へ確認しましょう。
施餓鬼塔婆の費用目安
施餓鬼塔婆の費用は、寺院ごとに定められていることが多いです。一般的には、卒塔婆料として1本あたり3,000円から5,000円程度の例が見られますが、これはあくまで目安です。
寺院によっては金額が案内状に明記されている場合があります。その場合は、案内状の金額を優先してください。
お布施と塔婆料は別に包む?
施餓鬼では、お布施と塔婆料を別に包む寺院もあれば、受付でまとめて納める寺院もあります。
封筒を分ける場合は、お布施は「御布施」、塔婆料は「御塔婆料」や「塔婆料」とすることがあります。ただし、表書きや渡し方は寺院によって違うため、案内状に指定がある場合はその内容に従いましょう。
施餓鬼に行けない場合でも塔婆だけ頼める?
施餓鬼法要に参列できない場合でも、卒塔婆だけ申し込める寺院があります。
その場合は、申込み期限、支払い方法、塔婆を立てる場所、法要後の扱いを確認しておきましょう。遠方に住んでいる場合や当日参加できない場合は、寺院に「欠席でも卒塔婆をお願いできるか」を早めに確認しておくと安心です。
卒塔婆を申し込む本数はどう決める?
卒塔婆の本数は、家庭や寺院の考え方によって異なります。
故人1人につき1本申し込む場合もあれば、「〇〇家先祖代々」として1本申し込む場合もあります。毎年の慣習がある家庭では、急に本数を変えると親族が気にすることもあるため、家族や親族にも確認しておくとよいでしょう。
| 確認項目 | 確認する内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 申込み期限 | いつまでに申し込むか | 法要直前では間に合わないことがある |
| 塔婆料 | 1本あたりの金額 | 寺院の案内を優先する |
| 表書き | 御塔婆料、塔婆料など | 指定があればその通りに書く |
| 故人名・戒名 | 誰の供養として申し込むか | 誤字がないよう確認する |
| 欠席時の扱い | 欠席でも塔婆を頼めるか | 早めに寺院へ確認する |
本間の実務メモ
石材店では、施餓鬼やお盆の時期に、卒塔婆立ての場所、古い卒塔婆の扱い、お墓まわりの掃除、納骨室の開閉について相談を受けることがあります。卒塔婆を立てる場所が分からない場合や、古い卒塔婆をどこに置けばよいか迷う場合は、寺院や霊園管理者に確認してから動くと安心です。
施餓鬼に行くときの服装
施餓鬼の服装は、寺院の雰囲気や法要の規模によって異なります。案内状に服装の指定がない場合は、黒や紺、グレーなど落ち着いた色の服装を選ぶと無難です。
正式な喪服までは求められないこともありますが、派手な色、露出の多い服、カジュアルすぎる服装は避けた方が安心です。
屋外でお墓参りをする場合の注意点
施餓鬼のあとにお墓参りをする場合は、歩きやすい靴、暑さ対策、雨具なども考えておきましょう。夏場に行われる場合は、熱中症対策も大切です。
お墓が寺院墓地や霊園にある場合、線香、ろうそく、花、掃除道具が必要になることもあります。現地で借りられるものと、自分で持参するものを事前に確認しておきましょう。
施餓鬼に持っていくもの
施餓鬼に参加する場合は、寺院からの案内状を確認し、必要なものを準備しましょう。
持ち物の例
- 寺院から届いた案内状
- お布施
- 卒塔婆料
- 数珠
- お墓参り用の花・線香
- 掃除道具
- 暑さ対策用品や雨具
寺院によっては、受付で名前を伝えるだけでよい場合もあります。卒塔婆を申し込んでいる場合は、申込み内容や故人名に誤りがないか確認しましょう。
宗派によって施餓鬼の考え方は違う
施餓鬼は、多くの寺院で行われることがありますが、すべての宗派で同じように行われるわけではありません。
特に浄土真宗では、一般的な意味での施餓鬼を行わない寺院が多いとされています。ただし、寺院によって法要名や案内の内容は異なるため、「自分の家の宗派ではどう考えるのか」は菩提寺へ確認するのが確実です。
宗派の違いを自己判断で決めつけると、寺院や親族との認識がずれることがあります。案内状が届いた場合は、まず案内の内容を読み、不明点があれば寺院に確認しましょう。
施餓鬼で後悔しやすいこと
欠席連絡をしないまま放置してしまう
施餓鬼に参加できないこと自体が問題になるとは限りません。しかし、案内が届いているのに何も連絡しないままだと、卒塔婆の申込みやお布施の扱いで迷いが残ります。
毎年案内が届く寺院であれば、今後の付き合いもあります。欠席する場合でも、一度連絡しておくと安心です。
お布施と卒塔婆料の扱いを確認していなかった
お布施と卒塔婆料を一緒に包むのか、別に包むのかは寺院によって異なります。金額だけでなく、渡し方や受付方法も確認しておくと当日慌てません。
親族に相談せず卒塔婆をやめてしまう
卒塔婆は家庭の慣習と関わることがあります。自分では不要だと思っても、親族が大切にしている場合もあります。
特に、親の代から続いている菩提寺との関係がある場合は、卒塔婆を申し込むかどうかを家族で話しておくとよいでしょう。
施餓鬼の案内が届いたときに確認すること
確認チェックリスト
- 法要の日時と受付時間
- 参加・欠席の連絡が必要か
- お布施の目安や指定があるか
- 卒塔婆を申し込むかどうか
- 卒塔婆料の金額と支払い方法
- 服装の指定があるか
- 法要後にお墓参りをするか
- 古い卒塔婆の扱い
施餓鬼は寺院ごとの差が大きいため、「一般的にはこう」と決めつけすぎないことが大切です。案内状に書かれていないことは、寺院へ確認して問題ありません。
施餓鬼とお盆法要の違い
施餓鬼とお盆法要は、同じ時期に行われることがあるため混同されやすい法要です。
お盆法要は、ご先祖や故人を迎え供養する意味合いで行われることが多い一方、施餓鬼は餓鬼や無縁の霊に施しを行う意味を持つ法要として説明されることがあります。
ただし、実際には寺院の行事として一緒に案内されることもあります。案内状に「盂蘭盆会・施餓鬼法要」などと書かれている場合は、同日にまとめて行われることもあります。
一方で、棚経はお盆やお彼岸の時期に僧侶が自宅を訪問し、仏壇や精霊棚の前で読経する形を指すことがあります。施餓鬼とは別の準備やお布施の考え方になるため、自宅に僧侶を迎える場合は、棚経のお布施・封筒の書き方・渡し方も確認しておくと安心です。
法要全体の流れを整理したい方は、法要・納骨・供養の流れも参考にしてください。
よくある質問
施餓鬼は行かないと失礼ですか?
施餓鬼のお布施はいくらですか?
卒塔婆料はお布施とは別ですか?
施餓鬼に卒塔婆は必ず必要ですか?
初施餓鬼や新盆施餓鬼では何が変わりますか?
施餓鬼の服装は喪服ですか?
施餓鬼はいつ行われますか?
浄土真宗でも施餓鬼はありますか?
欠席する場合、お布施だけ送ってもよいですか?
施餓鬼のあとにお墓参りをした方がよいですか?
古い卒塔婆はどうすればよいですか?
まとめ
施餓鬼は、餓鬼や無縁の霊に施しを行い、先祖や故人の供養にもつなげる法要として行われることがあります。ただし、呼び方や意味づけ、時期、お布施、卒塔婆の扱いは宗派・寺院・地域によって異なります。
行かないこと自体が直ちに失礼になるとは限りませんが、菩提寺との付き合いや親族の慣習がある場合は、欠席の連絡をしておく方が丁寧です。
迷ったときは、「お布施はいくらか」「卒塔婆を申し込むか」「服装に指定があるか」「お墓参りもするか」を寺院の案内に沿って確認しましょう。
お墓や供養のことで迷っている方へ
施餓鬼やお盆の時期は、お墓の管理、納骨、墓じまい、供養の方法について考えるきっかけにもなります。お墓まわりのことで不安がある場合は、状況に合う方法を早めに確認しておきましょう。


