水子供養のやり方と費用は?流産や中絶した子どもの供養方法とお参り

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水子供養の方法

さまざまな事情で、死産に終わったり妊娠を中断しなければならなくなったりする人もいるでしょう。

 

そのような場合には、どのように弔っていけばよいのでしょうか。

 

それについて、法律面と心情面から見ていきましょう。


水子は、何週目であったかで法律的な手続きが異なる

妊娠何週目の死産流産で異なる行政手続き

まずは法律面から解説していきましょう。

 

法律面から見たとき、妊娠を継続していた週数によって対応が異なります。12週までの場合は特になんらかの書類の手続きを行う必要はありません。

 

初期流産などがこれにあたります。また、出生届が出されるわけではありませんから、当然死亡届も不要です。

 

対して、12週~22週までの場合はまた対応が異なります。この場合は、どのように処理するかが非常に難しいのです。

 

死亡届を出す必要はありますが、出生届を出すかどうかなどは医師が判断することになります。どのような場合にせよ、このような判断をご自身が行うのは非常につらいものです。医師に任せましょう。

 

それ以降の場合もほぼ同じ流れをとることになりますが、24週目以降の場合は息を引き取ってから24時間以降でないと火葬にすることはできません。大人が亡くなった場合と同じ流れをとることになります。

 

 

水子供養の心情面と弔い方法

水子を弔う方法

法律的な手続きに関しては、お腹で子どもを育てていた人が行うのは非常につらいものです。そのため、家族の理解が得られて家族と仲がよいのであれば、家族に支えてもらうようにするとよいでしょう。

 

亡くなったお子さんをどう弔うかは、人によって異なります。

 

「葬儀を行うことで心に一区切りがつけられて、前を向けるような気がする」という人もいれば、「あまりにも悲しみと混乱がひどすぎて、葬儀を行える状態ではない」という人もいるでしょう。

 

「この世にいた時間はわずかであっても、車に乗せて葬儀会場に行くまでの間の景色を見せたい」という人もいれば、「辛すぎてとても現実をみられない。12週未満であってこともあって、あえてそこに目をやらないようにしなければ心が壊れてしまう」という人もいるでしょう。

 

そのため、葬儀を行うか、葬儀は行わずにその後の供養(仏教)を行っていくかは、人によって判断が異なります。

 

どの判断が良いとは一概に言えませんし、またどの判断が間違っているとも言えません。これは良い・悪いで判断できることではないのです。

 

葬儀や供養をしっかりやって見送るのも一つの方法ですし、心の混乱そのままにそれが少しでも穏やかになるように振る舞うことも一つの方法ですし、心の中で向き合っていこうと考えるのもまた一つの方法です。

 

子どもを育てていた人の意見を聞くのもひとつの手でしょう。また、それが難しいようであれば、パートナーにあたる人が「彼女にとってどのような判断が一番望ましいか」を考えて判断しても構いません。

 

実際に、「初期流産で、胎児側の異常が原因だった。妻に原因があるわけではない。しかし妻があまりにもショックと混乱が大きかった。供養をしていくことで、逆に彼女が過去や罪悪感に囚われて身動きができなくなると判断したから、葬儀は行わなかった」という人もいます。

 

また逆に、「ある程度大きくなってからの死産だった。子どもに外を見せたい」として葬儀や供養を行う人もいました。どのような選択肢を選んでも、それが間違いという事は決してありません。

 

 

水子の葬儀を行う場合の注意点

水子の葬儀

葬儀を行うと決めた場合は、葬儀会社にまずは連絡を行いましょう。

 

特にお子さんのお骨を残したいと思うのであれば、火葬場選びも慎重に行ってくれる葬儀会社を使うべきです。

 

ただ、どのような火葬場を選んでも、「絶対にお骨が残る」とまではいえません。特に週数が若いお子さんの場合だと、燃えてしまうこともあります。

 

ただ、そのような場合を踏まえて、「遺灰を回収できるかどうか」を事前に聞いておくとよいでしょう。棺に関しては、おそらく葬儀会社の方で子ども用のものを用意してくれると思われます。ただ、葬儀会社によっては、水子用の棺が無い場合もあります。

 

そのため、前もって確認しておくことをおすすめします。お子さんを抱えている女性は、個人差もあるものの、10代後半から40代が多いかと思われます。

 

周りの友人にもお子さんがいる……というケースも多いことでしょう。葬儀の場にお子さん連れで来られるのが辛いのであれば、その旨葬儀会社に伝えましょう家族葬などのかたちを提案してくれると思われます。

 

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また、家族葬ではない場合でも、「小さな子どもを見ると辛いので」などと言っておきましょう。親しい友人や親せきに自分で連絡する……という場合も、「連れてこないでほしい」と婉曲に言うことは失礼にはなりません。

 

何よりも、自分自身の心を一番に考えてください。葬儀にかかる費用は10万円前後が多いかと思われます。

 

火葬後は、家族のお墓がある場合は、そこに納骨する場合が多いですが、お墓が無い場合は、手元にお骨や遺灰を残すケースもあります。ご自身が一番納得できる方法を選ぶべきでしょう。

 

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水子の直葬とその後の供養について

水子供養について

さまざまな事情で、「葬儀を行わずに直葬(火葬式)のみをしたが、供養だけはしていきたい」と考える人もいるでしょう。

 

水子の場合は、葬儀は行わずに、後日供養だけを行いたいと考える方が多いかと思いますこれにはいくつかの方法があります。供養を行うときには、僧侶に申し込むのが基本です。

 

僧侶に読経をあげてもらうやり方です。一般的な法要と同じかたちをとり、お寺にお参りして供養を営みます。それ以外の方法として、戒名や位牌を授けるというものがあります。ご先祖さまと一緒に供養していくことを前提としたものです。

 

また、石仏などを寺に安置する方法もあります。すでにある地蔵尊にお参りをする方法もあります。またこの場合、石などに名前を書いてお祀りすることもあります。これにお参りすることで、供養をしていくことになります。

 

それ以外にも、写経や写仏(仏様の姿を描くこと)によって弔っていくやり方がありますどのやり方を取る場合でも、お金はある程度かかります。

 

僧侶による読経をお願いする場合は、10000円~30000円程度です。戒名を組み合わせる場合は、50000円程度になることもあります。

 

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お墓の敷地内に地蔵を新しく建立する場合は、数万円~十数万円が相場です。「紙にお経や仏様を書き(描き)写す」という方法の場合は、10000円以下でできます。

 

金銭的に余裕がないので費用をかけずに、何かしら供養をしたいという場合は、近くの寺院の地蔵に手を合わせるだけでも、ご本人の気持ちが満たされるのであれば、それで良いと思います。

 

どの方法が良い・悪いということはありません。ご自身の気持ちが納得できる方法を選びましょう。

 

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