お墓を建てたいと思い、実際に調べたり、石材店に案内されて墓地を見学すると、墓石の材料に中国産の石を使っている割合が非常に多いことに気付きます。
その際に多くの人は、以前問題になった食品偽装など、中国産と聞くだけでネガティブなイメージを持つ方も多いかと思います。
では、実際に中国産の墓石材はどうなのでしょうか?
中国産石材と国産石材の比較
結論から先に言うと、中国産石材の良し悪しは、国産石材と比較してどうか、選ぶ方の価値観以外に他なりません。
トータルで見たその差が許容範囲であれば、中国産石材に軍配が上がりますし、範囲外であれば国産石材に軍配が上がります。
では、実際に中国産石材と国産石材の比較ポイントを見ていきましょう。
比較ポイント① 価格差
墓石の値段の構成する主な要因はさまざまあり、地域や石材店によって違うため一概にいえないのですが、中国産の安価な墓石と国産の最高級墓石とでは20~30倍の価格差がある場合が多いです。
国産石材の中にも原石を中国の工場に輸出して加工して製品化して逆輸入した比較的安価なものもあります。
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比較ポイント② 品質差
食品偽装や著作権侵害など何かとダークなイメージが付きまとう中国ですが、石材の品質でいうと正直ピンキリです。
日本の国土の約25倍の広さの中国大陸ですので、硬くて丈夫な優れた石もあれば墓石に向かない石もあります。
現在墓石に使われている中国産石材は実績があるものが多く、水の吸水性や圧縮強度などの石材品質の指標となる数字も国産材と大差はないものが多いので、品質に関してさほど心配しなくても良いと感じます。
しかし、香川県の庵治石をはじめ国産を代表する銘石は、品質はもちろん重厚感や時を重ねるにつれてにじみ出る独特の風合いなど、言葉では表現しきれない良さがあります。
では、次に中国産石材の歴史について見ていきましょう。
国内で建てられるお墓の80%以上は中国産石材
外国産の石材が本格的に輸入されるようになったのは約50年前からで、主な輸入国は『韓国』『インド』『中国』『南アフリカ』『アメリカ』『ポルトガル』で、当時は原石の状態での輸入が主でした。
しかし、約30年前に中国福建省で日本向けの墓石加工工場が誕生すると、その圧倒的なコストパフォーマンスから日本向けの墓石製品の輸出量が増加して、現在では墓石・外柵(花崗岩)の製品輸入金額は中国が断トツの約9割を占めています。(中国で加工して逆輸入した国産石材も含む)
この輸入金額から推測すると、現在日本で建てられているお墓の80%以上は中国産だと言えます。
中国産墓石材と国産墓石材の比較まとめ
ここまで中国産と国産の墓石材の比較ポイントを見てきましたが、冒頭に書いたようにどちらを選ぶかは、選ぶ方の価値観しだいです。
中国産石材でも国産石材でも、お墓としての役割は何も変わりません。
お墓に費やす金額の大きさが、故人への供養の大きさであるわけではありません。あくまでも建てる方の価値観です。
よほどのハズレ墓石を引かない限りは、中国産だからといって建てて数年で大きく劣化するとは考えられませんし、その可能性は国産材もゼロではありません。
万が一その様な墓石に当たった場合、優良な石材店であればきちんと対応してくれるはずです。
最も重要なことは、石材の産地よりも選ぶ石材店だと言えるでしょう。
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中国産石材に自社で和風の適当な名前を付けて国産とごまかして販売する悪質な石材店もあれば、産地も材質の長所短所も十分に説明してお客様に真摯に対応する石材店もあります。(基本的には後者の石材店が多数です)
後者のような石材店であれば粗悪な製品はあつかわない可能性が高く、仮に間違って状態の良くない製品が納品されてしまった場合も、それ相応の対応をしてくれると考えられます。
石材店探しは事前に下調べをして、一社だけで不安であれば数社から話を聞いてみて十分に吟味してから決めることを強くおすすめします。
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