お墓という一生に一度有るか無いかのお買い物は、消費者の知識不足と仏様を敬う心(すばらしい!)によって当初の予算以上の支出となる事も多いです。
また、一般の方にはわかりずらい不透明な価格設定が原因で石材店や墓地管理者とトラブルになる事もまれにあります。
そうならないためにも、3つの墓地のタイプ別に最もおトクに安心して建墓できる方法(テクニック)を紹介します。
目次
お墓を相場の値段より安く購入する方法
お墓の契約・建墓までどの様な流れで進むのかわからない方が多いと思います。
よくある事ではないので知らなくて当然です。
お墓を建てるには先ずは墓地が必要です。
お墓は建てて終わりではなく、建ててからが始まりです。
檀家になる必要があるのか?宗派は?立地は?など、どこの墓地にするかがお墓つくりで最も重要なポイントになります。
墓地には3つの形態(タイプ)があります。
墓地の形態によって建墓までの手順が違いますので、それぞれ見てみましょう。
【関連記事】本当に公営霊園が良いの?墓探し前に知るべき3つの墓地形態
3つの墓地形態(タイプ)別のお得な方法
新たにお墓をつくる際の第一段階は、どこにお墓を建てるかを選びます。墓地は大きく分けて3種類のタイプがあります。
- A.寺院墓地
- B.民営霊園
- C.公営墓地
どの墓地にお墓を建てるかによって石材店が選べるか否かがあり、おトクに建墓するテクニックも違ってきますので、墓地のタイプごとに見ていきましょう。
タイプA 寺院墓地にお墓を建てる場合
これから新しく寺院の檀家になりお墓を建てる場合、住職など寺院管理者案内のもと墓地永代使用の契約を寺院と結びます。
新規の場合も既に檀家で墓地を持っている場合も寺院指定の石材店で建墓工事の契約を結びます。
寺院には一社~数社の指定石材店がいる場合が多く、その場合は指定石材店の中から住職が決めて担当する事になります。(寺院によっては指定石材店の中から選ばせる場合も有)
大切な境内の墓地によくわからない業者を入れてトラブルになるのを防ぐ事や石材店から支払われる建墓手数料(※1)の回収漏れを防ぐ事など、寺院にとって指定石材店制度はリスクを防ぐ重要な役割があります。
(※1)建墓手数料とは・・石材店からお客さんへお墓が引き渡された後に石材店から墓地管理者(この場合は寺院)に支払われる手数料の事です。お水代とも言います。
寺院墓地でお得にお墓を建てる方法は、石材店に良い条件で対応してもらえる様に住職に一言お願いする事です。
寺院(住職)と石材店の力関係は基本的には
寺院>石材店
です。石材店にとって寺院は建墓可能な墓地を持ち、お客さんも紹介してくれる存在です。寺院の指定石材店になるために各石材店は営業努力をしています。
寺院の住職から一言あれば、担当石材店も特に気合を入れてサービスをする場合も多いです。
また、数社ある指定石材店から好きな石材店を選んで良い場合は、相見積もりをとって比較して決めましょう。(相見積もりのコツはタイプCの公営墓地の項目に記載してあります)
【関連記事】石材店の選び方|大手と小規模を比較してどっちが正解?
タイプB 民営霊園でお墓を建てる場合
民営霊園の場合、経営主体は寺院や宗教団体、財団・社団法人表向きはなっていますが、石材店などの数社~数十社出資をして開発している場合が多く、当然その石材店が指定石材店となります。
民営霊園場合、同じ霊園内で石材店による価格差があると不平等になるため、共通の墓石価格を決めて一切値引きしない場合も多いです。
そのため、民営霊園の指定石材店制度では、消費者側のデメリットの一つに価格競争が起こりづらいという事があります。
民営霊園でお墓を購入する際のポイントは、特にあてもなく飛び込みで霊園に見学に行ってはダメ!!です。
民営霊園でお得にお墓を購入する一番おすすめな方法は、全国7000件の霊園情報を掲載した日本最大級のお墓ポータルサイト「いいお墓」で、事前に気になる墓地を探してから、資料請求をします。
その後、担当石材店から資料が届きしだい、電話で直接問い合わせをして、割引等の好条件を引き出したうえで、現地見学の予約をします。
民営霊園の性質上、大きな値引きは期待できませんが、何か違う部分での特典を事前に引き出せる可能性があります。
霊園見学の際は、先にも述べましたが、好条件を引き出した石材店の担当者と指定の日時に必ず一緒に見学してください。
民営霊園に飛び込みで見学に行ったり、問い合わせをしたりすると、自動的に霊園側が指定石材店を割り振り、石材店を選択する事が出来なくなりますので、くれぐれもご注意ください。
タイプC 公営墓地でお墓を建てる場合
公営墓地の場合は指定石材店制度は一切ありません。
「よし!自由だ~」
と思いきや、公営墓地は墓地の永代使用権を得るまでのハードルが高い場合が多いです。
特に東京都営霊園など都市部の公営墓地は、墓地申し込み希望者が多いため、居住年数や遺骨の有無などの申し込み条件があり、申し込み者の中から最終的に抽選で選ばれます。
晴れて当選して墓地の永代使用権を得る事ができたら、その後石材店は自由に選べます。
公営霊園でお墓をお得に建てる方法は、石材店2~3社から相見積もりをとり比較することです。
この2~3社というのがポイントで、一社だけでは比較ができませんし、選択肢が多すぎても迷うだけです。
また、最終的に1社を選ぶことになりますので、心の優しい方は特に断る石材店が多いと精神的な負担になると思います。
見積もりを出してもらう際のコツは、各社に同じ石種で同じ様なデザインに統一して見積もり作成を依頼して、相見積もりであると各社に伝えてプレッシャーをかける事です。
そうする事で、一発勝負で気合の入った各社の見積もりを比較できます。
相見積もりの際の注意点
相見積もりの際の注意点として、外国産石材(中国産)は特に石材店によって名称が違う事があります。
そのため、品番(G623など)や共通の名前を確認しましょう。
また、墓石の原材料(石材店の仕入れ)自体は販売価格からすると驚くほど安い事が多いです。
関連記事:墓石の種類と選び方|価格が高い理由を知り失敗しない方法
関連記事:中国産墓石はダメ?国産材と値段など違いを比較し上手に選ぶ
それだけ聞くと、「叩いて叩いて安くしなきゃ」と思うかもしれませんが、チョット待ってください!
そこには直接会って契約を交わす営業マンはもちろん、電話の対応をしてくれた事務員など従業員の人件費から墓石据え付け工事を行う職人の人工代など様々な営業経費が販売価格に反映されています。
商売とはそういうものです・・。
しかし、それを鑑みても墓石の原材料費に対する販売価格は他の業種と比較すると正直高いです。
「う~ん。やっぱり叩いて叩いて安くしよう」
またまたチョットまってください!
墓石は数多くは売れる物ではありません。車と違い短期間で買い替えをする事はなく、今建てたお墓を買い替えるのは孫かその先の代です。
そのような商品特性のため、一件あたりの利益を多く出す必要があるということです。
『彼を知り、己を知れば百戦殆うからず』
石材店の内情を理解して、一定の配慮をしながら可能な限りお特な価格を目指しましょう。その際に注意しなければならない事は、『横柄な態度であまり強く値引きを迫らない事』です。
お客様は神様ではありません!
石材店もお客さんを選ぶ権利があり、慈善事業ではなく利益を出さなくてはいけません。
また、多くの石材店は小規模事業者のため、担当営業のさじ加減で値段を変えられます。
気持ち良く仕事をしてくれる様な関係性を構築する事も大切です。
まとめ
お墓の購入では、施主の知識不足や値引きして買ったら故人に対して後ろめたいという心理もあり、高額にもかかわらず言い値で契約を結ぶ事が多いのが現状です。
お墓をお得に安く建てる事は決して罰当たりではありません。
今回ご紹介したテクニックを駆使して、出来る限りお得で満足のいくお墓つくりをしてください。
最後に墓地の形態別のおトクに建墓する方法を再確認しましょう。
【タイプA 寺院墓地】
- 指定石材店が数社あり、選択が自由な場合は2~3社から見積もりをとって比較検討。
- 住職にお願いして、担当する指定石材店に良い条件で対応してもらえる様に働きかける。
【タイプB 民営霊園】
- 絶対に飛び込みで見学や問い合わせをしない。
- 希望の霊園がある場合は、事前にインターネット等で指定石材店を調べて、その石材店に直接問い合わせておトクな条件を引き出してから案内を受ける(一緒に現地見学をする)。
【タイプC 公営墓地】
- 石材店2~3社から見積もりをとって比較する。
- 見積もりは出来る限り正確に比較するために同じ石種で同じ様なデザインで出してもらう。
- 相見積もりである事を各石材店に伝えてプレッシャーをかける。
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