これからお墓を購入しようと考えている方にとって、他の人達はどのような状況でお墓を購入するに至ったかという経緯を知りたいものかと思います。
今回は、著者が石材店営業として対応させていただいたお客様で、特に多かった購入パターンをご紹介します。
目次
お墓を購入するに至る主なパターン
お墓購入までの主な経緯は以下の3通りです。
※お墓をとにかく安く建てたいという人はお墓を相場より安い値段で購入(建墓)する方法もご参照ください。
1.葬儀後に回忌法要までにお墓を購入するパターン
お墓の購入経緯で圧倒的に多いのが、やはり家族に初めての仏様が出て(亡くなって)、49日や百箇日や一周忌などの回忌法要に間に合うようにお墓を建てて納骨するパターンです。
その中でも、墓地をすでに持っている場合と持っていない場合でも購入経緯が違います。
【関連記事】納骨の時期はいつ?お布施など必要費用とお供え物などの手配手順
墓地を持っていない場合
・葬儀後に担当葬儀社に紹介された石材店から墓地候補を提案してもらいお墓を探す。
墓地は大きく分けて【公営墓地】【寺院墓地】【民営墓地】があります。
都市部では特に新規民営墓地も多く出来ているため、回忌法要までの短期間に個人で一から情報収集をして墓地を探すのは大変です。
そのため、お墓の専門家である石材店から適した墓地を提案してもらった方が悩まずにスムーズにいく場合が多いです。
※現在ではインターネットが普及していて自宅にいながらたくさんの情報を収集して比較検討できます。特に全国7000件の墓地情報を掲載した日本最大級のお墓ポータルサイト「いいお墓」がお墓探しに大変便利です。
この場合の流れは
- 葬儀後に葬儀社から石材店の紹介を受ける
- 紹介された石材店から墓地候補の提案を受ける
- 候補墓地を実際に見学
- 墓地の契約
- 墓石の提案を受けて建墓工事契約
- 回忌法要に合わせて建墓して納骨
墓地をもっている場合
【菩提寺(檀家になっている寺)に墓地をもっている場合】
その寺院の住職等に指定石材店を紹介してもらい、回忌法要で納骨できる様に間に合わせてお墓を建てる。
この場合は墓地探しの手間が省ける分、時間的余裕があるため、49日に合わせる場合が多いです。
この場合の流れは
- 葬儀後に菩提寺(ぼだいじ)住職に相談
- 指定石材店を紹介を受ける
- 墓地に建てる墓石の提案を受けて建墓工事契約
- 住職と話し合って決めた納骨日に間に合うように建墓して納骨
【関連記事】お墓を建てる前に知るべき仏教の事|宗派による違いは何?
【民営霊園に墓地を持っている場合】
墓地を契約する際に担当した石材店とコンタクトをとり、納骨希望日に間に合うように墓石工事契約を交わしてお墓を建てる。
墓地探しの手間が省ける分、早めに建墓納骨することが可能。
この場合の流れは
- 葬儀後に担当石材店と連絡をとり建墓納骨希望の旨を伝える
- 墓地に建てる墓石の提案を受けて建墓工事契約
- 霊園管理者(担当僧侶含む)、石材店と決めた納骨日に間に合うように建墓して納骨
【公営墓地に墓地を持っている場合】
市営墓地などの公営墓地は、石材店の選択が自由です。
そのため、賢いお客さんは複数の石材店から相見積もりをとり比較して石材店を決めるパターンが多いです。
この場合の流れは
- 葬儀社の紹介やネット等で調べた石材店に見積もり依頼
- 石材店を決定して墓石工事契約
2.お墓の引っ越し(改葬)で新しくお墓を購入するパターン
次に多いのが、地方にある実家の先祖代々の墓を管理する人がいなくなった、または近い将来いなくなりそうなため、そのお墓を墓じまい(撤去)して、自身の住む近くの墓地に新しくお墓を購入して先祖の遺骨を改葬(引っ越し)するパターンです。
この場合の流れは
- 墓じまいをするお墓の墓地管理者に改葬希望の旨を相談
- 引っ越し先の新しいお墓を用意する
- 改葬に必要な行政手続きをする
- 墓じまいをするお墓から先祖の遺骨を出す
- 新規で建立したお墓に先祖の遺骨を納骨(改葬)して完了
行政手続きなど改葬の詳しい流れは、改葬の費用と手続きは?田舎のお墓引越し手順とお布施相場をご参照ください。
将来的に無縁になるであろう先祖代々のお墓を自身の手で改葬して供養するという行為はご先祖様はもちろん、墓地管理者にも喜ばれるはずです。
3.生前墓(寿陵)としてお墓を購入するパターン
お墓購入パターンとしては少数派ですが、生前に自身が入るお墓を用意する人も少なくありません。
この場合も墓地を持っていない場合と既に持っている場合とで流れは変わってきます。
墓地を持っていない場合(生前墓)
墓地を持っていない人で、生前墓を購入する人で意外と多いのが、自宅の近くに気に入った墓地があり、ある日ふらっと見学に来て、そのまま購入するパターンです。
その他にも、現在ではインターネットで気になる墓地を見つけてから見学に行き購入するパターンも増えています。
都市部の人気民営霊園は新規開園後早い段階で完売してしまう場合も多いため、ここだと思う墓地があれば生前に購入する人も少なくありません。
生前墓の場合は、墓石の建立まで済ます人もいれば、墓地の永代使用権だけ取得する人もどちらのパターンもあります。
この場合の流れは
- インターネット等で情報収集
- 候補墓地を実際に見学
- 墓地の契約
- 墓石の提案を受けて建墓工事契約
墓地を持っている場合(生前墓)
【菩提寺に墓地をもっている場合】
菩提寺の住職等に生前墓を建立したい旨を相談して、紹介された石材店で建墓工事をするパターン。
この場合の流れは
- 菩提寺住職に相談
- 指定石材店を紹介を受ける
- 墓地に建てる墓石の提案を受けて建墓工事契約
【民営霊園に墓地を持っている場合】
墓地を契約する際に担当した石材店に連絡をして墓石建墓工事をするパターン。
この場合の流れは
- 墓地契約の際に担当した石材店に生前墓を建立したい旨を相談
- 墓地に建てる墓石工事の提案を受けて建墓工事契約
【公営墓地に墓地を持っている場合】
指定石材店制度がないため、自身で石材店を調べて建墓工事の見積もりをとり、お墓を建てるパターンが多いです。
この場合、納骨日など時間に追われる事がないので、じっくりと時間をかけて検討ができます。
この場合の流れは
- ネット等で調べた石材店に見積もり依頼
- 石材店を決定して墓石工事契約
実際にお墓を購入した際の経験談と注意点
ここまでは、石材店として担当したお客さんで多かったパターンをご紹介しました。
最後に著者が、祖父が亡くなった際にお墓を実際に購入した体験談をご紹介します。
祖父は末っ子だったため、分家でお墓がありませんでした。(田舎のため、村の共同墓地に割り振られた墓地は有り)
そのため、亡くなった後に先ずはお墓を建ててもらう石材店を決める事になります。
選択肢は、地域に古くから営業している小規模石材店と、少し離れた町にある折り込み広告を積極的に出すような比較的大きな石材店の2社がありました。
広告を見ると金額的には後者の石材店の方が安くできそうな気がしましたが、昔からの知り合いでもある地域の小規模石材店に最終的には依頼する事にしました。
【注意点】地方の石材店によくあるのですが、折込広告に掲載してある値段は展示品の場合があります。
墓地はそれぞれ広さや形状が違いますので、外柵という外枠は基本的にはオーダーメイドになります。
そのため、広告に掲載してある価格より高くなる場合が多いので注意が必要です。
四十九日納骨が希望でしたので、石種・形も早々に決めて墓石契約を交わし、納骨日までに無事にお墓が出来上がり、納得のお墓つくりにすることができました。
【関連記事】お墓はいらないと思う人へ|お墓の意味と役割から必要性を考える