お墓以外に増える納骨先の選択肢|故人の遺志と家族形態で考える

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
樹木葬イメージ

「人は亡くなると、お墓に納骨される。」

つい数年前までの常識として語られてきたことが、現在では趣味・嗜好の多様化に伴い、大きく変化しました。

私自身も石材店で勤務していた当時、お施主さんのお墓探しに携わる中で、ただ昔からの慣習に則って先祖代々のお墓に入るのではなく、自分の望む形で供養をされたいと考えるお客様が年々増えてきた様に実感していました。

また経済の低迷で、数百万円の予算が必要となるお墓の建立に対しておいそれとできなくなりつつある現状があります。

では、お墓ではない納骨先として具体的にどのような種類があるのか、よく分からないと言う方も多くいらっしゃることでしょう。今回は死後の納骨先としてどのような選択肢があるのか、いくつかのパターンをご紹介します。




納骨堂に納骨

お墓に代わる供養方法として、まず挙げられるのは納骨堂です。これはある建物内に遺骨を安置して供養する場所、いわば室内にある墓地と呼ぶことができます。

特に都心部では従来の墓地のように土地の確保が難しくなっていることから、需要が増していて、お参りの際にIDカードをかざすと自動的に遺骨が目の前まで運ばれてくる様子を、テレビ等でご覧になった方も多いのではないでしょうか。

納骨堂にはロッカー式や仏壇式など、遺骨の安置方法はいくつかありますが、個人や夫婦、一族ごとに安置されるので、その点はお墓と変わりません。

ただ、三十三回忌を迎えたタイミングで下記で紹介する永代供養墓に合祀される、年単位で維持管理費が掛かる場合が多いので、事前確認が必要です。

 

納骨堂のメリット

・ 一般的なお墓より安価。
・ 都心部など交通の便が良い場合も多く、お参りに便利。

 

納骨堂のデメリット

・ 遺骨の収蔵期限がある
・ お花やお線香などの従来のお参り方法でお参りができない場合がある。

 

こちらの記事も参考にしてください。

納骨堂の意味は?費用と選び方~合祀と永代供養の違いとは

 

 

永代供養墓に合祀

核家族化の進行などで、お墓や上記の納骨堂を代々維持管理していくことが難しくなってきたことがあり、残された人達に迷惑を掛けたくないという想いをお持ちの方を中心に支持を高めてきたのが、「永代供養墓(えいたいくようぼ)」です。

寺院などの施設が遺骨を預かり供養をするという点では、納骨堂と重なる部分もありますが、決定的な違いは、永代供養墓は合祀(ごうし)をされることです。

合祀とは血縁など関係なく、様々な方々の遺骨とひとまとめに永代供養墓に埋葬する点です。

ただ、場所によっては三十三回忌までは遺骨を安置するなど納骨堂に近い施設も有るので、納骨堂同様に事前の確認が必要です。

 

永代供養墓のメリット

・ 子孫が絶えてしまっても、お墓の継承の心配をする必要がない。
・ 管理費などの維持費は基本的にかからない。

 

永代供養墓のデメリット

・一度合祀されてしまうと、遺骨を取り出すことは不可能。

 

 

海や山や空に散骨

最近では、散骨のサポートを行う企業も増えてきました。

火葬後の遺骨を粉末状になるまで砕いた後に海や山、飛行機で上空に撒くことが「散骨」ですが、充分に骨を砕かないと(1〜2ミリ以下)、遺骨遺棄罪に抵触する可能性があると同時に、陸地であれば近隣住民と、海であれば漁業者とのトラブルになる可能性が高いです。

上記の問題点からもわかる様に個人での散骨はハードルが高いです。また、専門の業者に依頼して、船や飛行機を散骨用にチャーターする祭には高額な費用がかかる場合が多いですが、必要な手続きや周りの環境への配慮を心配をせずに安心して任せられるので、じっくり検討を重ねた上で専門の業者に依頼する方が安心です。

故人の遺志を尊重した供養の形態として、散骨は近年注目されています。

 

散骨のメリット

自然を愛し、自然にかえりたいと考えていた故人の遺志を叶えられる。

 

散骨のデメリット

周りの環境面を充分に配慮する必要があり、個人で行うのは難しい。

専門の業者に依頼する必要があり、想像以上に高額になる場合が多い。




 

樹木葬

樹木葬とは、従来の墓石の代わりに樹木をシンボルとしたお墓のことです。日本では1999年から始まった比較的新しい形態の供養方法ですが、自然にかえれるというポジティブなイメージからか、民営霊園はもちろん公営霊園でも急速に増えてきています。

樹木はハナミズキやモミジなどの、大きくなりにくい低木が中心に用いられ周囲の生態系に影響を与えない木々を植えるのが望ましいとされています。

樹木葬の多くは、家族単位の一般的なお墓とは違い、個人(夫婦)単位で納骨される施設です。また、一故人に対して一本の樹木があるところもあれば、一本の樹木の周りに多くの遺骨を埋葬するところもあり、樹木葬と一口に言っても様々なパターンがあります。

樹木葬は納骨堂や永代供養墓と同様に継承者がいなくても問題ありません。逆に、配偶者や子供などの継承者がいる場合は一緒に入る事ができませんので注意が必要です。

 

樹木葬のメリット

高額な墓石を建てる必要が無いので、費用がおさえられる。

後継者がいなくても申し込みが可能。

 

樹木葬のデメリット

一人あたりで費用計算がされる場合が多いので、家族の人数が多い場合に逆に割高になる。

 

 

自宅で保管

実は遺骨を私的に自宅で保管することは、違法ではありません。故人の方とずっと寄り添っていたいとお思いの遺族の方には良い方法かも知れません。

しかし、来客があった際の相手の反応は決して気持ちの良いものではありませんし、やはり遺族本人も気になって落ち着かないという場合が多いようです。

また、従来の骨壷の大きさだけでもかなりのもの(遺骨だけで1000〜2000g前後)になり、保管スペースに困るとのことで、遺骨のほとんどは散骨をし、残りの一部のお骨だけをペンダントにするなどして保管する方もいらっしゃいます。

 

自宅で遺骨を保管するメリット

大切だった故人を近くに感じて生活ができる。

 

遺骨を自宅で保管するデメリット

自宅に訪れる他の人に対しての配慮が必要になる。

精神的に落ち着かない場合が多い。

 

 

0葬

聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、病院などで亡くなった後に通夜告別式などの類を行わずにそのまま荼毘に付し、その後の遺骨の処理も斎場に一任することを「0葬(ぜろそう)」と呼び、注目されています。

 

0葬のメリット

納骨はおろか告別式なども行わないため、一番費用が掛からない。

 

0葬のデメリット

これまでの方法と大きく異なるため、他者の理解を得難い。

 

 

増えるお墓以外の選択肢 まとめ

以上の様に、遺骨はお墓に納める以外にも多種多様な選択肢が生まれてきています。いずれの方法も従来のお墓を建てることよりもリーズナブルにでき、また継承問題を気にする必要性が少ないことから、近年の日本を取り巻く環境の変化を表している様にも感じます。

とは言え、納骨先の選択肢が増えることは、故人にも家族にもプラスの面が多いと思います。家族や親族とも充分に相談の上、自らの「終活」を進めていきたいものですね。




  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメント

コメントを残す

*