約150年の歴史を持つ都立青山霊園は、数多くの著名人が眠る、歴史ある霊園です。在住地などの条件を満たせば誰でも応募可能なため、募集を行うと毎回応募が殺到します。
「都心の緑あふれる霊園に眠りたい」「ファンである著名人と同じ霊園内でお墓を持ちたい」と、青山霊園への応募を考えている人へ向けて、空き状況や募集時期、倍率、価格、アクセス、お墓を建てるときの条件などについて解説します。最後には、青山霊園にほど近い民間霊園のご紹介もあります。ぜひ参考にしてください。
青山霊園の概要
まずは、青山霊園の歴史や眠っている著名人、東京駅からのアクセスなどといった、基本情報について解説します。
青山霊園の歴史
青山霊園の開園年月日は、明治7年9月1日。美濃郡上藩の領主であった青山家の屋敷跡に開設されていた墓地が、公共墓地として開放されました。大正15年には霊園内全ての建築物が東京市に寄付され、日本初の公営墓地となります。
霊園の面積は26万3,564㎡と、公営墓地としては都内最大の規模を誇ります。約12万人が、都心の喧噪を避けるように植えられた桜並木の中、ひっそりと眠っています。
青山霊園にある有名人のお墓
青山霊園にはたくさんの有名人のお墓があります。政治家であれば池田勇人、片山潜、後藤象二郎、大久保利通、犬養毅など。作家なら尾崎紅葉、国木田独歩、斎藤茂吉、星新一など。芸能人なら市川團十郎など。明治期から昭和にかけて日本の政治、文化を支えた偉人たちが、現代日本の行く末を見つめている場所です。
アクセス
都立青山霊園は、「外苑前駅」「乃木坂駅」「青山一丁目駅」の3駅から徒歩で行ける、大変便利な立地にあります。
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青山霊園の空きと募集状況
気になる青山霊園の空き状況は、年1回の募集時期に知ることができます。条件や倍率、永代使用料などの価格帯についてご案内します。
募集時期
青山霊園の募集時期は、毎年6月頃です。参考までに、令和3年度の申込期間は「6月15日~7月2日」でした。毎年、6月中旬頃から募集を開始しています。
申込書は、都庁や各都立霊園、都内各区市町村の役所窓口、東京都公園協会で配布しています。なお、インターネット申し込みも可能です。
参考:令和3年度 都立霊園の使用者を募集します(東京都)
※上のリンクは令和3年度の募集についてです。例としてご案内しています。
応募条件
青山霊園の応募条件は、「申込者が都内に5年以上継続して居住していること」、「申込者が申込遺骨の祭祀の主催者であること」です。祭祀の主催者とは、遺骨を将来にわたって守っていく役割を担う人を指します。故人の配偶者や子どもなどが該当します。故人が都内に住んでいたかどうかについては、条件制限がありません。
募集される区画の特徴
青山霊園で募集されるのは「一般埋蔵施設」といい、「お墓」と聞いて誰もがイメージするような、家族などが代々にわたって継承していくお墓となります。遺骨がない状態での生前申し込みはできません。
倍率
都立青山霊園の応募倍率は、高価格のお墓であるにもかかわらず、毎年10倍を超えます。令和3年度の都立青山霊園は、56の募集数に対して、746件の応募がありました。倍率は13.3倍でした。
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青山霊園の価格(永代使用料と管理費)
※都立霊園公式ホームページより引用
令和3年の情報を参考にすると、青山霊園の永代使用料(永代使用料)は約440万円から1,135万円。区画の大きさなどによって価格が違い、この価格とは別にお墓を建てるための費用がかかります。年に一度、霊園に納める年間管理料は、1,400円から2,800円です。
ビックリするような価格と思われる方も多いでしょう。しかし、青山霊園にとって、この価格帯は例年どおり。由緒正しき公営霊園に眠るには、これほどのお金が必要なのです。
参考までに、同じ都立霊園でも谷中霊園の墓地使用料は289万円から714万円ほど。染井霊園は255万円から306万円ほど。
一方で、首都圏の民間霊園にお墓を建てると、永代使用料・墓石建立料を含めた平均価格は、およそ250万円程度です。青山霊園の使用料がいかに高いか、お分かりいただけるでしょう。
青山霊園にお墓を建てるときの条件
青山霊園に当選すると、更地となっている当選区画にお墓を建てる必要があります。お墓を建てるときには、以下が条件となります。
石材店の選択は自由
青山霊園をはじめとした都立霊園には、指定石材業者が存在しません。どんな業者に依頼しても構いません。ただ、条件を満たす墓石を建ててもらえるよう、都立霊園での建墓実績がある石材店の方が安心です。
一墓所一墓石一家名
「●●家之墓」などと刻まれる墓石は、1つの墓所に1つだけ建てます。
整地工事や外構工事が必要
地固め・根切りなどの整地工事や、隣接区画との境目を明確にするための囲障(いしょう。墓地の場合は低めのコンクリート塀など)が必要で、費用は建築主の負担となります。囲障の設置期限は、当選から3年以内です。
当選結果を待つ間に、石材店の当たりをつけておいた方がいいでしょう。
青山霊園の近くにある由緒正しき霊園『青山梅窓院』
ここまで、青山霊園について詳細を解説してきました。「こんなに価格が高いの?」「この倍率では、当選まで何年かかるか分からない」と感じた人も多いことでしょう。
また、青山霊園の応募条件では「存命中に自分のお墓を確保しておきたい」「継承者のいらないお墓が欲しい」といった要望を叶えることができません。
都心にお墓を持ちたい、でも青山霊園では条件が合わない……という人は、青山霊園近くの民間霊園にも目を向けてみましょう。
寛永20年(1643年)に建立された梅窓院内にある「青山梅窓院墓苑」は、青山霊園から徒歩10分。外苑前駅からなら徒歩1分と、かなりアクセスの良い霊園です。寺門から続く竹林を抜けると、広大な墓苑と近代的な寺院ホールがひっそりと佇み、都会でありながら思い切り深呼吸したくなるほどの清涼感にあふれています。(青山梅窓院見学レポート)
この青山梅窓院墓苑には、5つの魅力があります。
継承墓、永代供養墓、樹木葬など希望に合ったお墓が選べる
昔ながらの継承墓はもちろん、継承者のいらない永代供養墓や樹木葬もあり、「おひとりさまでお墓を継ぐ人がいない」「お墓はいらない、みんな一緒のお墓でいい」「ペットと眠りたい」など、さまざまな希望に沿ったお墓を実現できます。
都心の樹木葬が20万円という低価格
樹木葬「梅林苑」は、基本料金1名20万円で、梅の木の下に眠れます。埋葬後の年間使用料は必要ありません。
有期型墓所が現代ニーズにぴったり
「お墓を継ぐ人はいないけれど、期限付きでいいから、数年は個別の墓でしっかり弔ってもらいたい」という人向けに、「永代供養墓付有期型墓所」があります。5年、10年といった使用期間を決め、使用期間後は永代供養墓に合祀されるこのシステムは「青山プラン」と称され、人気が高まっています。青山プランは、例えば5年の有期型であれば130万円程度で、年間管理費は不要です。
生前の墓所申し込みが可能
自分が亡くなったときのために区画をキープしておける墓所の生前申し込みが可能です。
宗教フリー(宗旨宗派問わず)
青山梅窓院墓地では、過去の終始、宗派は問いません。また、樹木葬や有期型墓所を利用する場合、新たに檀家になる必要はありません。
以上のように、青山梅窓院墓苑は、現代人の希望に応える要素がたくさん詰まっている霊園です。「都心で眠る」を安価で叶えたい人や、生前に墓地を確保しておきたい人は、こちらにも目を向けてみてはいかがでしょうか。