毎年訪れるお彼岸。
お彼岸にはお墓参りに行くという習慣がありますが、どういう意味があるのでしょうか?
春と秋に2回あるのはなぜでしょうか?
今回は、2024年(令和6年)のお彼岸の『入り』『中日』『明け』がいつなのか、お彼岸の意味や迎え方についてご案内します。
目次
お彼岸とは何か
お彼岸とは、春分・秋分の日を中日とした前後3日間を合わせた7日間のことをいいます。
お彼岸には、お寺やお墓にお参りして先祖に感謝する習慣があります。
さて、今年はいつがお彼岸にあたるのでしょうか?その意味や由来はどういったものでしょうか?
2024年(令和6年)のお彼岸の入りと中日と明けはいつ
春のお彼岸は、3月20日の春分の日を中日として、前後3日を合わせた7日間。
秋のお彼岸は、9月22日の秋分の日を中日として、前後3日を合わせた7日間です。
お彼岸の初日を「彼岸入り」、春分・秋分の日を「中日(ちゅうにち)」、最終日を「彼岸明け」といいます。
後ほど詳細に触れますが、春分・秋分の日は実は毎年決まっていません。
国立天文台の出した日に基づき前後しますので、お彼岸の期間もわずかながら変動します。
春の彼岸入り | 春の彼岸中日 | 春の彼岸明け |
3月18日(月) | 3月20日(水) | 3月23日(土) |
秋の彼岸入り | 秋の彼岸中日 | 秋の彼岸明け |
9月19日(木) | 9月22日(日) | 9月25日(水) |
お彼岸の中日にあたる春分・秋分の日はどんな日?
春分・秋分とは、二十四節気の一つで、昼と夜の長さが等しく、太陽が真東から出て真西に沈む日です。
いずれも祝日で、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日として、法律で定められています。
ここで豆知識ですが、春分の日と秋分の日は毎年いつかは決まってはいません。
太陽のまわりを公転している地球が、春分点と秋分点を通過する日をそれぞれ『春分の日』『秋分の日』とされています。
そのため、来年のお彼岸は正式に決まってはいません。
お彼岸の意味と由来
彼岸とは、煩悩にまみれたこの世を此岸とした「向こう岸」、すなわち「悟りの世界、涅槃の境地」を意味します。
悟りの世界とは、煩悩や迷いから解き放たれた精神状態を意味しますが、同時に、仏の住む浄土の世界も意味します。
特に、阿弥陀仏が住む極楽浄土は西方にあるといわれており、太陽が真西に沈む春分・秋分の頃に西方浄土の世界が最も近くなると、極楽往生が願われたのです。
そもそも、春分の頃は種を蒔く時期、秋分の頃は収穫の時期で、古来より、五穀豊穣を祈り感謝する習慣が根付いていました。
そこに極楽往生を願う浄土信仰が加わり、日本独自の〝お彼岸〟文化が生まれたといわれています。
ちなみに、神道では、春分・秋分の日が「皇霊祭」という歴代天皇や皇族をお祀りする日にあたり、現在でも皇室や各神社などで儀式が行われています。
お彼岸の歴史
お彼岸の歴史は1200年以上も前にさかのぼります。
平安京が始まって間もない、大同元年(806年)に、平城天皇が、春と秋の七日間、崇道天皇(早良親王)のため諸国の国分寺の僧侶に経を読ませたというのが、現存の最も古い記録です。
早良親王といえば、暗殺事件の関与を疑われ流罪となり、無実を訴えて憤死した悲劇の皇太子ですが、その死後、疫病が流行し、皇族らが相次いで亡くなったことから、祟りとして恐れられました。
その親王の魂を鎮めるために、春秋七日間の法要が行われたと記録されています。
お彼岸の迎え方
お彼岸の7日間のうち、いつに何をするか明確に決まっているわけではありません。
「入り花を折らぬ」といって、彼岸入りになってお花をお供えしているようでは遅く、先に仏壇やお墓を清めてからお彼岸を迎えるのがよい、という教えもあります。
お彼岸前またはお彼岸中には、お仏壇や仏具を掃除し、お墓や納骨堂などにお参りに出かけましょう。
ここでは、お仏壇のお手入れの仕方や、お墓参りの手順、お彼岸ならではのお供え物についてご紹介します。
①お仏壇のお手入れ
お彼岸には、ご先祖様を思い、お仏壇や仏具をきれいにしましょう。
ご本尊やご先祖に手を合わせてから、お仏壇の中の仏具や位牌をいったん外し、ホコリなどを取り除いていきます。
仏具を外す前に写真を取っておくと、後で戻す時に助かります。
お仏壇のホコリ取りには、仏壇掃除用の筆がおすすめです。仏壇は繊細な工芸品ですので、水拭きしたり、強くこすったりしないように気をつけましょう。特に、金仏壇は金箔がはがれる恐れがありますので、注意が必要です。
仏壇内部を拭きたい場合には、仏壇用のクリームを古布などにとってふくとよいでしょう。
長年の汚れがたまっていて、自身で掃除するのが難しい場合には、これを機会に仏壇クリーニングの専門業者さんに依頼してもよいでしょう。
仏具を元にもどしたら、新しいお花、果物やお菓子などの供物をお供えし、お線香をあげて手を合わせましょう。
【関連記事】仏壇の選び方で重要な3つのポイント|種類~購入後まで解説
②お墓参り
お彼岸中には、お墓参りに行き、お墓のお掃除もしておきましょう。
お墓に到着したら、お墓に手を合わせ、前のお参りにあげたままの枯れたお花や、生えてきた雑草、落ち葉などを取り除きましょう。
次に、墓地の水場から水をくんで墓石の掃除をします。大体、水場でバケツや柄杓を借りられることが多いですが、ない場合は、ペットボトルなどを利用するとよいでしょう。
準備した水を墓石にかけ、スポンジなどで汚れを落とします。頑固な汚れや細かい部分は、歯ブラシなどを用いると落としやすいです。最後に、墓石を乾拭きして汚れがつきにくいように仕上げをします。
お掃除が終わると、新しいお花を供え、お線香をあげます。お供え物は、カラスや猫が寄ってきたり、散らかされたりする原因となりますので、お参りを終えれば、持ち帰るのがマナーです。
お墓参りは、祝日にあたる中日が最も混雑しますので、時間のある方は、彼岸入リ前後にお参りに行くとよいでしょう。
【関連記事】お墓参りにお花やお供えなどの必要な持ち物は?行く時期や服装と手順
③お供え物の準備~ぼたもちとおはぎ~
お彼岸のお供え物といえば、もち米に餡子をまぶしたあのお菓子ですが、「ぼたもち」といったり「おはぎ」といったり、本当はどちらが正しいのでしょうか?
実は、どちらも正しく、季節のお花にちなんで呼び名が変えられているのです。
春のお彼岸には「牡丹」にかけて「ぼたもち」、秋のお彼岸には「萩」にかけて「おはぎ」とよばれます。
ちなみに、ぼたもちにはこし餡を、おはぎには粒餡を使用しますが、それも季節の違いによるものです。
おはぎを頂く頃は、小豆の収穫の時期なので、まだ皮が柔らかく粒餡としておいしく頂けるのですが、ぼたもちを頂く頃には、皮が固くなっているので、皮を取り除いてこし餡にするのです。
季節ごとの違いに、日本人ならではの繊細な美意識がうかがえます。
そもそも、おもちは、古来より五穀豊穣を願って神様に捧げられてきたもので、神道でも仏教でも特別なお供え物です。
また、小豆は、その赤い色から厄除けの力があるとされ、お祝い事や折々の行事に用いられてきました。つまり、おもちと小豆を用いたぼたもち、おはぎは、特別なお供え物といえるのです。
春のお彼岸には、ぼたもちを、秋のお彼岸には、おはぎを、ご先祖様にお供えし、後でお下がりとして頂きましょう。
お彼岸までにお墓を建てるには
これからお墓を建て、納骨をしたいと考えているお施主さんの中には、お彼岸までに建墓&納骨したいと考える方も多く、石材店の担当者もお墓を建てるまでの一つの目安として彼岸に間に合うようにと提案する場合も多いです。
彼岸に建墓を間に合わせたいと考えた場合は、遅くとも三か月前には行動を開始しないと、慌ただしくなり思うようなお墓を建てる事ができません。
お彼岸までにお墓を建てるコツは余裕を持って行動する事です。
菩提寺(檀家となっている寺院)が無い方が、墓地を探す方法は『ご自身で墓地を探して直接問い合わせる』or『石材店を探して直接問い合わせる』の主に2通りです。
ご自身で墓地を探す場合は、お墓の専門家である石材店を探してから相談する事がおすすめです。お墓探しのミカタの石材店無料マッチングサービスをご利用ください。最寄りの頼れる石材店を探して完全無料でご紹介させていただきます。
【関連記事】お墓を相場より安い値段で購入(建墓)する方法
お彼岸まとめ
お彼岸は、古来より受け継がれてきた、先祖や自然に感謝し思いを馳せる日本独自の習慣です。
お仏壇やお墓、納骨堂などのある方は、これをご縁にお掃除し、お参りしましょう。
近親者に亡くなった人がいなかったとしても、自身が今ここに生きているということは、命をつないできた先祖がいるということです。ちょうど、春分・秋分の日は祝日となります。
しばらく帰っていない実家を訪ねたり、季節の移り変わりを感じたり、自分が生かされていることを感謝すきじる期間にするとよいでしょう。
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