身内が亡くなった……という訃報は、言う方も言われる方もとても緊張するものです。
今回は、「訃報を告げる人の立場」と「訃報を告げられる人の立場」になって、それぞれの言葉遣いや伝え方について解説していきます。
訃報を直接もしくは電話で伝える場合の言い方
訃報は、電話で言うのがもっとも一般的です。
ただ、直接告げることになる可能性も0ではありません。
この2つはほぼ同じ言い方をとるため、まとめてお話しましょう。
訃報を伝えるときのポイントは、
- 誰が息を引き取ったか
- 亡くなった日時
- 葬儀の場所と日程
- 喪主の連絡先
- 必要に応じて死因
の5つを簡潔に伝えることです。
たとえば、「本日の6時頃、母の○○が亡くなりました。(心筋梗塞です)。通夜は×月×日の×日に行います。現在は家に帰ってきております。ご不明な点があれば、この携帯電話の番号である090-××××-▼▼▼▼にかけてきてください」などのように言います。
電話や直接言う場合は、挨拶文などはごく簡単に済ませてしまってよいでしょう。
とにかく、訃報の伝え方は、誰がいつ亡くなったのか、葬儀の場所と日程と喪主の連絡先についてだけはもらさないようにしっかり伝えるようにしてください。
メモにまとめておくと安心です。
また、「家族葬で行うので、参列は遠慮したい」ということであればそれも言い伝えるようにします。
訃報を直接もしくは電話で受けた場合のお悔やみの言葉
訃報は、告げる方も動揺するものですが受けた方も動揺するものです。
故人との関わりがあった人ならばなおさらでしょう。
このような場合、動揺が表に出てしまっても問題はありません。
ただし、傷ついているお相手の心をさらに傷つけるような言葉は投げかけてはいけません。
このような点を踏まえて、返し方について見ていきましょう。
「突然のことで私も驚いております。大変なことでしたね。ご家族様もどうぞお体とお心を労わってお過ごしください。私にお手伝いできることがあれば、なんなりとお申し付けください。(聞く必要がある場合は)今後の日程、お別れの会などについてはお決まりでしょうか」などと続けましょう。
「ご冥福をお祈りします」は仏教用語なので、相手の宗教が分からない場合は軽率に使わないようにしましょう。
なお、相手が「家族葬で行う」と言っているのであれば、葬儀の場や日程は聞かないようにします。
死因を聞くのは避けた方がよいでしょう。
死因を聞いても構わない場合というのは極めて限られています。
たとえば、「自分の母親が亡くなった。連絡してきたのは、母と同居していた実姉である」などのように、自分が「子ども」の立場であれば死因を聞くことはそれほど間違いではないかと思われますが、親族の立場の場合は慎重になるべきですし、友人の立場などの場合は控えておいた方が賢明です。
人が亡くなった場合、連絡しなければならない相手はたくさんいます。
そのため、長々と引き留めてはいけません。
ただ、相手が「話を聞いてほしい」ということであれば、できるかぎりしっかり話を聞くようにしてください。
また、友人などの立場なら、「なんでも話をきくからね」「いつでも電話をしてください」のように添えるとよいでしょう。
また、「そのコミュニティの代表者」として連絡を受けているのであれば、ほかの人にも伝えた方がよいのかなどを確認するとよいでしょう。
メールで訃報の通達、返信の文例
訃報はかつては電話で告げられるのが一般的でしたが、現在はSNSやメールを使って伝える方法も一般的になりつつあります。
これに関しては賛否両論がありますが、多くの場合は「このような方法をとっても構わない」とされます。
多くの人に一度に訃報を伝えられるので、手間も最小限ですみます。
メールを送る側のときも、基本的には上の5条件を満たしておけば問題ありません。
ただ、メールの場合は改行などを使ってわかりやすくまとめた方がよいでしょう。
また、電話に比べてメールの場合はやや硬い言い回しが使われるのが一般的です。
件名には「訃報」といれて、亡くなった人の名前をいれてください。
本文には、「父の○○は、××年×月××日に他界いたしました。生前のご厚誼に深く感謝申し上げます。
通夜及び葬儀は下記の通り行います
- 故人の名前
- 葬儀を行う日付(通夜と葬式両方を記す)
- 葬儀の場所
- 宗教及び宗旨
- 喪主の名前
- 連絡先
とするとよいでしょう。
訃報を受けた場合は、「大変なことでしたね。心から哀悼の意を表します。○○さまの旅立ちが、安らかなものでありますように」などとまとめるとよいでしょう。
なお、相手の宗教が仏教であるということが分かっている場合は、「この度はご愁傷さまです。心よりご冥福をお祈りいたします」などとお返ししても問題ありません。
まとめ
訃報は、告げる側も告げられる側も動揺するものです。
故人を弔う気持ち、ご遺族を労わる気持ち、生前のお心に感謝する気持ちをしっかり伝えることが一番重要です。
しかしそれと同時に、「デリケートな状態にある相手の心」を慮った言い方を選べるのであれば、より望ましいといえるでしょう。
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