お墓を墓友とシェア?家族の形の変化で増える納骨の選択肢

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お墓のシェア

死後、埋葬される時は誰と一緒に納骨されると想像されますか?ご先祖様?家族?もしくは永代供養墓などに合祀?つい数年前まではそれが常識でした。

 

しかし、最近「墓友(はかとも)」というスタイルで納骨を希望される方々が増えているのをご存知でしょうか?

 

「メル友」「ママ友」「飲み友」・・・等など、「○○友」と呼ばれる交友関係を指すワードは数多くありますが、今回は「墓友」とは何かをご紹介します。




 

「墓友」とは何か?意味と近年増える理由

「墓友」とは、文字通り死後に一緒に埋葬される、血縁関係のない友人のことを言います。

 

2014年に、フジテレビ系のオムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」のテーマのひとつに取り上げられて、記憶に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ドラマの内容はここでは触れませんが、なぜ墓友が広まっているのか、その背景はどこにあるのでしょうか?

 

 

墓友が広がる理由①  お墓を継ぐ人がいない

「孤独死」「無縁社会」などの社会問題に代表されるように、少子高齢化の進行や、子どもが地元ではないところに移住してしまっているなど、お墓を継ぐ人がいないために、墓友探しをされる方が多くいらっしゃいます。

 

たとえ、先祖代々のお墓であっても、お墓を維持管理していく人がいなければ、いずれそのお墓も無縁仏として、合祀されてしまいます。そうなる前に、自ら決断されるというパターンです。

 

 

墓友が広がる理由②  お墓を継ぐ人に迷惑をかけたくない。

子どもがいるなど、お墓を継ぐ人はいるものの、今後を考えてお墓を継ぐ必要がないようにしたいと考える方も、墓友と埋葬を希望される場合があります。

 

では次に、増えているとはいえ、まだ世間に浸透しているとは言えない墓友を実際に探す場合は、どの様な方法があるのかを見ていきましょう。

 

 

 

墓友はどうやって探すのか?

さて、お墓を血縁関係の無い誰かとシェアしたいとの考えに至っても、結婚同様に相手がいないことには始まりません。

 

しかも、増えているとはいえまだまだ世間に浸透しているとは言えない墓友を実際にどのように探しているのかを見ていると、意外なことに長年交友のあった人と一緒に埋葬されるよりも、新たに墓友探す方が多数派です。

 

NPOなどが管理する墓友サークルや墓友カフェもありますし、もちろん終活中、高齢者向け住宅や老人ホームで知り合った方同士が墓友になることもあるでしょう。

 

また、SNSなどのインターネット上で墓友の募集がされていることもあり、そこから墓友を作るパターンもあるでしょう。

 

ただ、死後一緒に納骨される友人を選ぶので、生前から積極的に交流を重ねて、本当に一緒にお墓に入るのにふさわしいかどうかを見極めることも重要です。

 

中には、墓友という垣根を越えて、俳句など趣味の分野でも意気投合でき、終生の友人になれたという方も多くいらっしゃるそうです。

 

 

【参考】墓友を募集しているWEBサイトの一例

実相寺 青山霊廟

 

秋月院

 

NPO法人エンディングセンター

 

 

墓友と入るお墓の形態

お墓の継承者がいないことを前提としている「墓友」の場合、「永代供養墓」あるいは「共同墓」を選ぶことになります。

 

多様化する家族の形に合わせて、墓友に限らず、これらの供養形態の墓地は、公営・寺院・民営墓地とそれぞれの運営元でも増えてきています。

 

 

墓友とお墓を選ぶ際の注意点

実際に墓友とお墓選びをするときは、下記の注意点を参考にし、充分に話し合った上で、お好みの墓地を見つけられることをおすすめします。

 

 

運営元と費用と維持費(管理費)

従来の建墓に比べ、費用面でリーズナブルに行える場合がほとんどです。「共同墓」の相場は約50万円、合祀されるタイプの「永代供養墓」では5万円前後からできます。

 

また、後継者が必要ない事を前提としていますので、申し込み後に管理費などの維持費がかかるようでは困りますので、事前に必ず確認しましょう。

 

また、運営元の確認も忘れずに。霊園も倒産する時代、仮に倒産した場合の管理態勢はどうなっているのかもしっかりと確認しましょう。

 

 

 埋葬方法は?遺骨が最終的にどうなるのか

また埋葬方法にも注意が必要です。最初から骨壷から出して1箇所にまとめてしまう「合祀」するタイプ、一定期間遺骨を安置(例えば三十三回忌までなど)してから合祀するタイプなど「共同墓」には様々な形態がありますので、慎重に選ぶ必要があります。

 

また、合祀されると遺骨が取り出せないデメリットがあります。今後親族等が遺骨の返還を求める可能性ゼロではない場合は、他の選択肢を検討した方が良いかと思います。様々な可能性を考えて、慎重に検討する必要があります。

 

また、供養の方法も確認しておきたいところです。墓地の運営元によっては、毎日読経がある、仏花などお供えがあるなど違いが出てきます。

 

 

墓友の注意点

これは他の新しい供養形態と同様ですが、新しい埋葬の形だけに家族や周囲の方々からの理解が得づらいのは事実です。

 

また埋葬される場所は、承継者の必要のない「共同墓」や「永代供養墓」など選択肢が限られてします為、従来のお墓に納骨されたい方には不向きです。

 

そして、互いに愛して一生添い遂げる誓いをした夫婦でさえ、些細なことがきっかけで別れる事もあるのに、これまで交流がほとんどない赤の他人で、一緒にお墓に入りたいと思える人に出会えるのか??幸運にも出会えたとしても、いつかのその日までその気持ちを維持できるのか・・。

 

今回は近年増える「墓友」についてご紹介しました。もちろんメリットとデメリット両方ありますが、特に一人暮らしのお年寄りの方が死後やお墓のことを考える時に、墓友の存在が前向きに終活について捉えられる要因となることは間違いありません。

 

多様化する価値観に対応できるお墓の選択肢が増えたと言えるのではないのでしょうか。

 

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