『改葬』意味は?増加の理由と必要な費用|お墓の引越し手順

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
改葬の意味

改葬とはお墓(遺骨)の引越しを意味します。

厚生労働省調べでは全国の年間改葬件数は8万件を超えていて、さらに増加傾向にある様です。

その背景にはどういった理由があるのでしょうか?

どうして近年改葬が増えているのか

私が石材店で営業をしていた平成20年頃もすでに多くの改葬依頼がありました。

その際の改葬理由は以下のパターンが多かったです。




  • 新しく近くにお墓を建てた事に伴い、先祖代々のお墓を墓じまいして先祖の遺骨を改葬する。
  • 田舎のお墓を管理する人がいなくなった(又はいなくなりそう)なので、墓じまいをして先祖の遺骨を近くのお墓か納骨堂に改葬する。
  • 自分の代でお墓を管理する人がいなくなるので、先祖代々のお墓を墓じまいして寺院や納骨堂に永代供養又は合祀する。

こうして見ると、管理できなくなった又はなりそうな先祖代々のお墓の墓じまいとセットで改葬を行うパターンが多いことがわかります。

ご先祖様が眠るお墓を自分の代で無縁墓にしてはいけないと、元気に動けるうちに改葬して供養するという責任感のある立派な行動だと思います。

しかし、改葬をするにはそれなりのお金がかかりますので、ある程度生活にゆとりのあるご家庭でないと行動に移せないという現実もあります。

『気にはなっているが先立つものが・・』と経済的な理由で近い将来に無縁墓になるであろうお墓を放置せざるを得ない状況の場合も実際に多いと感じます。

無縁墓が増えている背景の根本にあるのは少子化と長引く不況による経済事情が影響しているのではないでしょうか。

では、実際にお墓(遺骨)のお引越し(改葬)にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

 

改葬にかかる費用

改葬にかかる費用は既存墓地・墓石の状況により大きく変わりますが、主な費用は以下の5点で構成されます。

一般的な改葬の流れにそって必要な費用をそれぞれ見ていきましょう。

 

1.新しい納骨先の購入費

改葬先の選択肢は従来のお墓だけではなく永代供養や合祀が可能な納骨堂などもあります。

一般的なお墓の購入費の全国平均は約195万円(永代使用料+墓石工事代)

納骨堂の永代供養をする場合は遺骨一柱につき50~100万円程度合祀墓の場合は数万円~30万円程度からのところが多い様に見受けられます。

上記の費用以外にも管理費等の維持費がかかる場合が多いので購入前に確認が必要です。

※合祀とは他の仏様の遺骨と一緒に埋葬する事です。

 

2.既存墓石の解体撤去と遺骨出しにかかる費用

お墓の撤去工事の費用は平米あたり10万円程度が相場と言われていますが、墓石の大きさや工事をしやすいかの立地場所や仏様が土葬されているかどうかによって撤去と遺骨出し費用は大きく変わってきますが、一般的なお墓の場合は30万円~60万円程度の費用がかかる場合が多いです。

 

3.閉眼(抜魂)供養の費用

既存のお墓を解体撤去(墓じまい)する前に寺院墓所の場合は管理する寺院に、霊園墓所の場合はご自身の宗派の寺院を手配して閉眼供養を行うのが一般的です。

その際に寺院に支払うお布施は2万円~5万円の場合が多いです。

 

4.納骨の費用

一般的なお墓に納骨する場合は、墓石のふた(拝石)を安全に動かすのに専門的な技術が必要になるため、基本的に石材店に依頼をする必要があります。

その際、石材店に支払う費用(納骨料)は2万円~3万円の場合が多いです。

納骨堂や合祀墓の場合、納骨料は供養料とセットのところが多いように見受けられますので、事前に納骨料有無の確認が必要です。

 

5.開眼(魂入)供養の費用

新たな納骨先が一般的なお墓の場合、通常は納骨の際に納骨法要と合わせて開眼供養を行います。

新たなお墓が寺院墓地の場合はその寺院、霊園の場合は管理事務所に納骨法要と開眼供養の手配をしてもらいます。

その際に寺院に支払うお布施は3万円~5万円程度の場合が多いです。

新たな納骨先が納骨堂や合祀墓の場合は納骨料と同様にセットの場合も多いようですので、事前に確認が必要です。

 

その他の費用

上記以外にも、寺院墓地のお墓を墓じまいして檀家をやめる場合に寺院から離檀料を請求されるケースも稀にあります。

この離檀料をめぐるトラブルが、近年メディアで多くとりあげられる様になりました。

改葬や墓じまいが増えていて、世間の関心が高い事がうかがえます。

トラブルにまで発展する原因に、施主と寺院との間で十分な意思疎通ができていなかった事が影響しているのではないかと考えられます。

長い間先祖のお墓を供養や管理をしてくれていた寺院に対して、ある日突然「墓じまいして改葬するので檀家やめます」と決めた事を事後報告するのではなく、改葬の話が家族や親せき間で出たらお墓のある寺院の住職に先ずは相談して、良い関係性で協力を得ながら一緒に進める事が理想的ではないでしょうか。

改葬を検討しはじめてから実際に遺骨を移すまでには段階があります。

次に、その際の手順をご説明します。



改葬の手順

改葬をスムーズに進行するには、基本的な手順があります。

担当してくれる石材店が優秀であれば、手順を熟知していますので安心して任せられますが、そうではない場合は施主もそれなりの時間と労力がかかります。

石材店に手続きを代行してもらう場合もご自身でする場合も、どちらにしても知っておいて損はありませんので、一連の流れを見ていきましょう。

※墓じまいの場合は『墓じまいの意味は?撤去と供養気になる費用と8つの手順』を参照

 

①家族・兄弟・親戚に相談して話し合う

改葬、墓じまいに関しては近年トラブルも増加しています。トラブルの主な内容は兄弟や親戚が知らないうちにお墓を撤去していた等、原因の多くは事前に話し合いの場を設けていれば防げる事も多いと感じます。

改葬、墓じまいを考えたら先ずは家族・兄弟・親戚に相談する事から始めましょう。

 

②現在あるお墓の墓地管理者に改葬を行いたい旨を相談する

現在のお墓が寺院(菩提寺)にある場合は、そのお寺の住職に改葬を検討している旨を相談しましょう。

墓守がいなくなって連絡がとれない無縁墓が増えてきて困っている寺院が多いため、墓守を継続する事が難しくなった檀家さんが墓じまいをして改葬を検討される事に好意的な住職も多いと感じます。

現在のお墓が民間霊園または公営墓地の場合は管理事務所に墓じまいを検討している旨を伝えて、手続き等を事前に確認しておきましょう。

 

③解体撤去工事を依頼する業者(石材店)を探す

お墓から遺骨の取り出しと墓石の撤去工事は石材店に依頼する必要があります。

現在のお墓が寺院墓所や民間霊園にある場合は指定石材店が決まっている可能性がありますので、墓地管理者に事前に確認してから業者を探すようにしてください。

ここで優良石材店を見つける事が、改葬を滞りなくスムーズに進められるかの重要なポイントになします。

指定石材店制度が無い場合はお墓探しのミカタの無料マッチングサービスをご活用ください。

お墓の撤去工事の費用は平米あたり10万円程度が相場と言われていますが、墓石の大きさ工事をしやすいかの立地場所や仏様が土葬されているかどうかによって撤去費用は大きく変わってきますので、見積もりを取る際は遺骨の取り出しも含まれているか改葬許可申請の行政手続きをサポート(代行)してくれるか完全に更地の状態にしてくれるか撤去した墓石は然るべき方法で処分されるかなどの内容を十分に確認して、可能であれば2社以上から相見積もりをとり比較検討する事をお勧めします。

この石材店選びが非常に重要で、優良石材店であれば新しい改葬先の目星がついている場合も、これからの場合も親身になってサポートをしてくれます。

また、旧墓地の管理者との上手な橋渡し役になり、円満に改葬を進められる可能性が高くなります。

 

④改葬先を決める

改葬には早い段階でご先祖様の遺骨の行先を事前に決めておく必要があります。

改葬の主な選択肢としては

  • 寺院墓地
  • 民間霊園
  • 納骨堂
  • 合祀墓

などが考えられます。

まだどこが良いのか決まっていない状態の場合は、解体撤去工事を依頼する石材店(以下担当石材店)に相談して、ご希望の条件に近いところを探してもらう事をおすすめします。

すでに目ぼしいところが決まっている場合も、紹介などで好条件で求められないかを担当石材店に聞いてみましょう。

条件に近い納骨先が見つかれば、見学を重ねてご家族全員が納得のうえで最終的に決めましょう。

遺骨の最終的な行先が決まりましたら、改葬の際の行政手続きが必要になりますので、受け入れ先の墓地管理者から受入証明書を発行してもらいましょう。(同じ墓所内で移動の場合は不要)

 

 

⑤改葬の行政手続きを行う

行政手続きの流れ

  1. 現在の墓地の管理者に、お墓に眠るお骨の『埋葬証明書』を発行してもらう。
  2. 現在の墓地がある市町村役所から『改葬許可申請書』を発行してもらい必要事項を記入。
  3. 現在の墓地がある市町村役所へ記入済みの『改葬許可申請書』『埋葬証明書』『受入証明書』を持って行き改葬の申請する。(市町村により申請方法が違う場合もあるので要確認)
  4. 『改葬許可書』を受け取る。(お骨一柱につき一枚の改葬許可書が必要)

改葬許可を得るための大まかな流れは上記1~4の通りです。

墓所管理者や役所に何度か足を運ばなければいけないのと、書類の書き方などで不明点も出てくる場合が多いので、親身にサポートしてくれる石材店が理想的です。

 

⑥閉眼供養と遺骨取り出し

現在の墓地管理者の承諾を得て、遺骨の移し先と依頼する石材店が決まり手続きが完了したら、寺院墓地の場合はその寺院のお坊さんに、民間霊園または公営霊園の場合は宗家の宗派の寺院に依頼して墓地撤去工事前に魂抜供養を行い、石材店がお骨を墓所から取り出します。

※上記は仏教の場合です。

取り出した遺骨は、そのまますぐに改葬先に移す場合以外は一時的に安置します。

(新しい改葬先や自宅など、事前に新しい改葬先での納骨日まで一時安置場所を相談して決めておく必要有)

 

⑦墓所解体撤去工事

依頼している石材店によってお墓を解体して更地に戻す工事を行います。

工事完了後は石材店立ち合いの元、墓地管理者に現状を確認してもらい永代使用権利書を返納して旧墓所の墓じまい工事は完了です。

長年お世話になった感謝の気持ちを大切にしましょう。

 

⑧新たな改葬先にご先祖様を納骨

新たな改葬先の受入体制が完了(墓所完成)して、事前に改葬先墓所管理者に予約した日に納骨したら改葬は終了です。

(改葬先が寺院の場合はその寺院に、民間または公営墓地の場合は宗家の同宗派の寺院に事前に納骨日の法要を依頼しておきましょう)

※お墓の場合は開眼供養も合わせて行います。

 

改葬に必要な費用まとめ

  1. 新しい納骨先の購入費
  2. 既存墓石の解体撤去工事費
  3. 閉眼供養の費用(お布施)
  4. 納骨の費用
  5. 開眼供養の費用(お布施)

改葬の手順まとめ

  1. 家族、親戚に相談
  2. 現在あるお墓の管理者に相談
  3. 解体撤去工事を依頼する石材店を決める
  4. 改葬先を決める
  5. 改葬の行政手続き
  6. 閉眼供養と遺骨の取り出し
  7. 墓所解体撤去工事
  8. 新たな改葬先にご先祖様を納骨

以上の様に改葬には多くの費用と手間がかかります。

そのため、衣食住ではないお墓の事までは経済的にゆとりのあるご家庭でないと手がまわらずに、無縁墓になって放置されるお墓が増え続けているのが現状ではないでしょうか。

施主それぞれの状況に応じて、最適な方法を提案してくれる優良な石材店を選ぶ事が、改葬には特に重要だと感じます。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*