新型コロナウィルスの影響で葬儀はどうする?遺族と参列者の葬式対応

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新型コロナウィルスの感染拡大の現在葬儀葬式はやるべきか?やらないべきか?

猛威をふるっているコロナウイルスに、世界が脅かされています。著名人のり患も相次いで報道される今、私たちも他人事ではいられません。

 

このようなときに大切な人を亡くした場合はどのようにすればよいのでしょうか。

 

なお、ここで取り上げる葬儀(葬式)は、「コロナを原因として亡くなった人を見送る葬儀」ではありません。あくまで、「ほかの原因で息を引き取った場合」を想定しています。

 

また、参列者も、「現在なんらかの体調不良に悩まされている人」「コロナにり患した人の身近な人」を指しているのではなく、「体調不良もないが、コロナのことを危険視している人」を対象としています。

 

また、この記事は2020年の4月上旬の情報を基としています。情報は日々更新されていくので、常に最新の情報を参考としてください。




新型コロナウィルスの流行にまつわる葬儀の現状

新型コロナウィルス流行している今の葬儀の現状

新型コロナウイルス感染症・COVID-19(以下、本文中では「コロナ」と記載)の感染者は、日に日に増えていっています。

 

葬儀は、「人が集まる」という性質上、危険視する声もあり、集団感染の共通点で、避けるべき三つの密である「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」に葬儀も当てはまると思います。

 

実際に3月22~23日にかけて行われた通夜~葬式・告別式に参加した人がコロナにり患していたことがわかりました。

 

また、その際に同じ葬儀に参加した人のうちの4人が陽性であったと報じられたのは3月31日のことです。

 

また、3月29日に埼玉県知事が「葬儀によって感染が広がる例もあるので、出席人数を減らすなどして対処を」とする呼びかけを行いました。

 

4月15日の新潟市の発表では、県内外から十数人が集まった葬儀でクラスターが発生した可能性があるという事がわかりました。

 

海外のことではありますが、オーストラリアでは24日に、「葬儀への参列は10人までとするように」という制限措置を発表しています。

出典;
BBCニュース「オーストラリアで葬式参列は10人まで、結婚式は5人まで 感染対策

 

朝日新聞「埼玉知事、平日も都内へ移動自粛要請「葬儀にも注意を

 

愛媛県「新型コロナウイルス感染(県内5事例目~6事例目)の確認に関する記者発表の要旨について

 



遺族の立場なら家族葬や後葬の検討も必要なのではないか

新型コロナウィルスが流行する中葬儀を執り行う遺族はどうするべきか

自分が遺族となった場合は、このようなことを踏まえて葬儀のかたちを考えていくことが求められます。

 

新型コロナウィルス流行対策としてよく提案される葬儀は、以下の2つです。

  1. 規模を小さくする
  2. 後葬(後日葬)を検討する

 

一般葬の場合、多くの人が参列することになります。

 

その分、感染リスクもあがります。対して家族葬の場合、限られた範囲の人しか参加しないためリスクは大きく下がります。

 

特に、「親族などを呼ばないで、家族だけで行う」「宗教者も呼ばないで行う直葬のかたちを選択する」とした場合は、リスクはさらに下げられるでしょう。

 

現在は小規模なかたちでの葬儀を希望するご家庭も多くあります。そのようなご家庭とは親和性が高い葬儀の形態といえるでしょう。

 

また、「後葬(後日葬)を選ぶのもひとつの手です。これはまず火葬だけをして、その後で落ち着いたら葬儀を行う……というやり方です。

 

この場合は火葬にかかる最低限の費用だけを納め、その後で改めて葬儀を行うことになります。

 

家族葬とは異なり、「ほかの人にもお別れをしていただける」というメリットがあります。

 

また、現在葬儀会社の多くはコロナ対策を講じており、さまざまな対応手段を打ち出しています。

 

「こうしておけば絶対に安全」とはだれも言い切ることはできませんが、特に手厚く対処しているところを選ぶのもひとつの手です。

 



参列者の立場ならば、参加するかどうかを慎重に判断したい

新型コロナウィルスの感染拡大において葬儀の参列者側は出席するべきかどうか

不要不急の外出は避け感染リスクを抑えている人であっても、「葬儀」は特別なものです。事態が落ち着いてからお参りに行こうにも、そこにあるのはすでにご遺骨であり、「肉体を持った故人との最後のお別れ」は通夜~葬式・告別式のときにしかできないものだからです。

 

この心情を理解できない人はいないと思われます。

 

ただ、葬儀はその性質上、ご高齢の方もたくさん足を運ばれます。

 

若い人でも深刻な状況に陥っている人もいますしその可能性も否定できませんが、高齢であればさらに深刻な状況に陥るリスクは高くなります。

 

自分自身が「自覚症状のない罹患者」であった場合、「自分は大丈夫なのに、自分からうつった人が苦しむ」という状況にもなりかねません。

 

この状況下において、「葬儀に出るのが正しいか、葬儀に出ない方が正しいか」は、私自身では判じることはできません。

 

「自覚症状があればもちろん行かないが、そうではないのであればやはりお別れを言いたい」という人の気持ちも、「お別れを言いたい気持ちはもちろんあるが、感染リスクを考えると……」という人の気持ちも、両方とも否定されるべきものではないからです。

 

参加するかどうかの最終判断は個々人にゆだねられますが、平時とは状況が大きく異なるため、非常に慎重な判断が求められます。

 

また、地域によって感染拡大の状況が違うので、急速に拡大している地域とまだ感染者が出ていない又は少ない地域とでは、考え方はもちろん対応も異なると思われます。

 

いずれにしても、軽々な判断は慎み、よく考えて行動を決定したいものです。

 

なお、参加する場合の対策については、下記の厚生労働省の情報を参考としてください。

 

まずは、一般的な感染症対策や健康管理を心がけてください。
具体的には、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒などを行い、できる限り混雑した場所を避けてください。また、十分な睡眠をとっていただくことも重要です。
また、人込みの多い場所は避けてください。屋内でお互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすときはご注意下さい。

※厚生労働省HP『新型コロナウィルス感染症の予防法』から引用

 

※2020年4月7日追記

新型コロナウィルスの感染者急増をうけて、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都府県に緊急事態宣言が発令されました。

該当の地域は特に、これまで以上に3密(密閉・密集・密接)になる可能性が高い葬儀(葬式)は、自粛や延期を余儀なくされる可能性があると感じます。

このような状況だからこそ、喪主(遺族)は葬儀社や菩提寺とよく相談したうえで、それ相応の対応が求められると思います。

 

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