墓じまい後の遺骨はどうする?自分達のお墓は?3つの解決方法とは

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墓じまい後の遺骨の供養方法3選

先祖代々のお墓を撤去し、墓地を更地にして運営者に返還する「墓じまい」が注目されています。「子世代にお墓を継がせられないから」「自分の代以降は、無縁墓になってしまうから」というのがその主な理由です。

 

しかし、墓じまい後、手元には先祖の遺骨が残されます。先祖の遺骨の行き先をどうするか、定まっているでしょうか。また、自分自身が亡くなったら、どう弔ってもらうでしょうか。墓じまいの後、先祖と自分の遺骨の行き先をどうするべきかについて、3つの方法をお伝えします。

 

永代供養墓に埋葬する

墓じまい後の遺骨を永代供養墓に埋葬

永代供養墓とは、墓地の管理運営側が、その墓地が運営されている限りは管理や供養を行ってくれるお墓を指します。後継者を立てる必要はありません。家族の誰かがお墓掃除やお参りをしなくても、運営側が清掃や合同供養祭などを行ってくれます。

 

永代供養墓にはさまざまなタイプがあります。大きな供養塔などに他の人と一緒に埋葬される合祀墓や、樹木の周りに遺骨を埋葬する樹木葬、一定期間は納骨堂などで個別に弔った後、合祀墓へ埋葬される形式などです。なかでも墓じまいの後に利用される永代供養墓として一般的なのが、合祀墓です。

 

合祀(合葬)墓の多くは、骨壺から遺骨を取り出し、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から個別に取り出すことができません。一体5万円程度からと安価なのが特徴です。ただし、墓じまいの後に残される先祖の骨壺は、多ければ10個近くになることもあります。10体であれば50万円もの出費になってしまいます。負担が大きい場合には霊園に相談しましょう。

 

先祖代々の遺骨を永代供養にする際に、自分たちも同じように永代供養してもらえるよう相談しておけば、後の世代にお墓を残さずに済みます。また、先祖と一緒に弔ってもらえる安心感も得られるでしょう。先祖の「お墓参り」を兼ねて子世代と一緒に永代供養墓を訪れておけば、自らの死後も、子世代の手によってスムーズに永代供養の手続きがなされるはずです。

 

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散骨する

墓じまい後の遺骨を散骨する

墓じまいの後、先祖の遺骨を散骨する人もいます。散骨業者に依頼して、海などへ散骨するのが一般的です。家族が業者と一緒に船へ乗り散骨を見届ける「立ち合い散骨」と、業者に骨壺を送り、かわりに散骨してもらう「委託散骨」の2種類があります。

 

「立ち合い散骨」の相場は15~30万円程度(価格は船の規模や他の家族と合同か、個別かなどで変動する)、「委託散骨」の相場は5万円程度です。いずれも1体の場合の相場なので、遺骨が複数個ある場合は業者に相談し、見積もりをもらうのがおすすめです。

 

散骨のメリットは、海や山といった大自然へ遺骨を撒くことによって、大自然へと還ってゆくイメージを持てることです。「お墓参りをするための場所がない」と不安になる遺族もいますが、命日などに散骨のため出航した場所へ赴くことで、お墓参りとする人も見受けられます。

 

自分自身も散骨が良いと願うなら、希望の散骨業者や場所を子世代などに伝えておきましょう。一部の業者では生前予約も受け付けていますが、散骨実施前に業者が倒産したら、散骨が行われないうえお金も戻ってきません。事前に予約金などを振り込む場合は、十分注意が必要です。

 

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手元供養をする

墓じまい後の遺骨を手元供養する

遺骨を自宅で供養するのが手元供養です。全ての遺骨を自宅に保管する場合もあれば、大部分の遺骨はお墓に預け、一部だけを自宅に置く場合もあります。墓じまいで手元供養を選ぶ場合は、先祖代々の遺骨を全て自宅保管するのは難しいため、永代供養や散骨と組み合わせるのがおすすめです。

 

永代供養や散骨と組み合わせて手元供養を行う場合は、まず、手元に置く遺骨の量を決めます。手元供養の方法はさまざまです。大きな骨壺をそのまま仏壇などに置いて供養する人もいれば、手のひらサイズほどの小さな骨壺にわずかな遺灰を入れ、小さな仏具とともにリビングなどへ飾る人もいます。ペンダントトップの中に遺灰を込められるようになっているアクセサリーもあります。

 

先祖代々の遺骨を手元供養する場合は、小さな骨壺を用意して代表者の遺骨を少しだけ入れるか、親や配偶者といった特に結びつきの強い身内の遺灰をアクセサリーに込めるなどして、あとの遺骨は永代供養か散骨で弔うのが現実的でしょう。

 

手元供養のメリットは安心感です。先祖の遺骨が、リビングや仏間などで常に家族を見守ってくれていることを感じながら生活できます。また位牌や遺影と共に供養することで、お墓はなくともお参りの空間を保持できます。デメリットは、手元供養をする遺骨も、供養をする人がいなくなれば、行き先に迷う日が来ることです。手元供養を済ませた遺骨や遺灰を、永代供養墓に合祀するなどして最終的に供養できる場所を探しておきましょう。

 

 

墓じまい後の遺骨の行き先は他の親族や子世代とよく話し合おう

墓じまいを検討したらまずは家族会議

以上のように、墓じまいの後は遺骨の行き先として3つご紹介しましたが、どんな供養法を選ぶかは一人で決めずに親族みんなで相談しましょう。墓じまいで先祖の墓がなくなり、遺骨までどこかへ行ってしまうとなれば、「どう心の整理をつけたらよいのか」と悩んでしまう親族もいるからです。

 

また、自分自身が亡くなった後の遺骨をどうするかについては、とくに子世代とよく話し合いましょう。自分は「お墓はいらない」と考えていても、家族はお墓を必要視しているかもしれません。散骨や永代供養を望むのであれば、業者の探し方や手続きについてしっかり確認し合っておくのも大事です。

 

 

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