デジタル遺品、という言葉を聞いたことがありますか?
デジタル遺品とは、個人が残したデジタルのデータのことを言います。
具体的にはスマホやパソコンの中に保存されている画像や動画、ネット上のサービスなどが当てはまりますね。
そんなデジタル遺品ですが、生前にしっかりと準備をしておかないと思わぬトラブルを招してしまうことも少なくありません。
なのでこの記事では、以下のことについて紹介していきます。
・デジタル遺品の種類と対策方法
・生前整理をしていないせいで起こる問題
・デジタル遺品の生前整理の具体例
高齢のご家族がいらっしゃる方や、ネット銀行などをお持ちの方などに深く関わっている問題なので、是非ともご一読ください。
デジタル遺品の種類と対策
まず、デジタル遺品の種類についてどれくらいご存知でしょうか?
デジタル遺品の種類は、大きく分けると以下の4種類に分けられます。
・スマホやPCなどのデジタル製品
・スマホやパソコンなどの中に入っているデータ
・ネット銀行やクレジット、株などのネット上のお金
・オンラインストレージや有料サービスなど、ネット上のサービス
それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
スマホやPCなどのデジタル製品
まず第一に挙げられるのは、スマホやパソコン、カメラなどのデジタル製品。
特に問題なのが、パソコンとスマホです。
パソコンやスマホの中には、写真や動画、株やネット銀行のログイン情報などなど、様々なデータが詰まっています。
これらの製品たちの特徴は、中に故人が所有していたデータが入っているところです。
中のデータを消去しないまま廃棄してしまうと、個人情報の流出などに繋がってしまうことがあるため注意する必要があります。
また、パソコンやスマホに関しては、ロックが掛けられていて中のデータが確認できない!というケースも多いです。
スマホやパソコンなどの中に入っているデータ
パソコンやスマホ、SDカードなどの中に保存されているデータ類も、立派なデジタル遺品です。
特に、パソコンやスマホの中に入っているデータは個人情報の塊。適切に対処しなければ、個人情報の流出に繋がってしまいます。
デジタル遺品にあたるデータの種類としては、以下の4つが代表的です。
・写真
・動画
・SNS
・連絡先
ネット銀行や株などのネット上のお金
故人が開設していたネット銀行や、所有していた株などのネット上で管理しているお金などの金融資産もデジタル遺品に当たります。
お金に関しては特にトラブルの原因になりやすいので、生前にしっかりと整理しておきたいところですね。
オンラインストレージや有料サービスなど、ネット上のサービス
見逃しやすいのがこちらの項目。
オンラインストレージとは、インターネット上にデータを保存できるサービスで、代表的な物にDropboxやGoogleドライブなどがあります。
故人が、オンラインストレージを利用していた場合、そちらに画像や動画を保存している場合があります。
また、故人が利用していた有料のネットサービスも、利用停止の申し入れをしなければ永久にお金を払い続けてしまうことも。
そして、今の時代特に気をつけたいのがSNSです。
SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、FacebookやTwitterやLINEなどが代表的です。
故人が使っていたSNSのアカウントは、永久にネット上に残り続けます。
SNSのアカウントを遺族が対処するのは大変な作業なので、生前に整理しておきたいですね。
デジタル遺品の対策方法
デジタル遺品の対策方法は、大きく分けると以下の二つが挙げられます。
・本人が生前に行うもの
・没後に遺族が行うもの
デジタル遺品は、本人以外だとどうしても対処が難しいものです。
出来るだけ、本人が生前に整理しておきたいところ。
今回の記事では、具体的にどうやって生前整理を行なっていけばいいのか紹介していきます。
デジタル遺品の生前整理を行なっていない事で起こりうる問題
生前整理の具体例を紹介していく前に、整理を行なっていないせいで起こりうる問題について紹介していきます。
スマホが開けなくて連絡先が見れないから、葬儀に呼びたい人と連絡が取れない
今の時代、ほとんどの連絡先はスマホに保存していますよね。
そのため、没後にロックを解除できないと、葬儀に呼びたいと思った人に連絡をすることができなくなってしまいます。
スマホやPCから、遺族が見たくなかった画像や動画が出てくる
故人が使っていたスマホやPCの中から、遺族が見たくなかった画像が出てきてしまうケースも多々あります。
過去に恋愛していた相手と一緒に撮った写真や、ネットから集めてきた過激な画像など…
遺族を悲しませないためにも、生前に対策をしておきたいですね。
スマホやPCを処分しようとした時に、初期化ができなくて個人情報が流出してしまうことがある
スマホやPCの中には、個人情報が沢山詰まっています。
出来ることなら、中身を消去してから処分したいところ。
しかし、消去したくてもロックがかけられていて出来ないケースが多いです。
株や投資信託、ネット銀行の貯金などの金融商品の相続がうまくできない可能性
今の時代、ネット銀行を利用していたり株を持っていたりすることも珍しくありません。
ネット上の金融商品ですが、これらも立派なデジタル遺品。遺族に相続されるものになります。
しかし、生前にしっかりと整理をしていないと、遺族が発見するまでに時間がかかり、最悪の場合相続できなくなってしまうことも。
株やFXの口座を見逃して、莫大な損失を受ける
故人が株やFXなどの金融取引を行なっていた場合は更に注意が必要です。
株やFXは、常に値段が変動しているもの。
気がついたら、莫大な損失を抱えていたなんてことも珍しくありません。
そして、その差額の金額は遺族に請求されることがほとんど。
多大な迷惑がかかってしまうため、しっかりと対策をしておきたいですね。
有料サービスに登録していて、ずっと払い続けている
利用者が亡くなった後でも、使っていた有料サービスは自動で解約されることはありません。
遺族が解約の申し入れを行わない限り、永遠に料金を支払い続けてしまいます。
そのため、何のサービスを使っていたのか全て整理しておく必要があります。
デジタル遺品の生前整理は、本人が行うのが一番
デジタル遺品は、機密性が高く本人以外だと対処が難しいものです。
しかし、何も対策をしていないと思わぬトラブルを招くことになってしまうことも特徴。
なので、基本的には資産を保有している本人が、生前に整理をしておくことが1番の対策になります。
具体的にどのように整理していけばいいのか、具体例を紹介していきますね。
整理方法①スマホやPCのパスワードをわかるようにしておく
記事内で何度も振れてきましたが、デジタル遺品はスマホやPCで管理しているものがほとんどです。
そのため、ロックが解除できないと遺品に対して何も対処できなくなってしまいますよね。
なので、遺書に書いておいたり、死後に発見されやすい場所にメモを置いて置いたりなど、必ず遺族に伝わるようにしておきましょう。
整理方法②IDやパスワードの一覧表を作っておく
スマホやPCのロック以外にも、ネット銀行や株、有料サービスなど、様々な場面でパスワードを設定していますよね。
これらのパスワードがわからないと、デジタル遺品の整理をすることができません。
なので、以下の項目についてまとめた一覧表をあらかじめ作成しておくようにしましょう。
・利用しているサービスや、サイト名
・サービスやサイトへのアクセス方法
・対応している、IDやパスワード
整理方法③見られたくないデータなどは別のファイルやハードディスクなどに入れておいて、ロックをかけておく
金融資産に関しては遺族がわかるようにしておかなければいけないものですが、逆に見られたくない画像や動画などがある場合もありますよね。
そのようなデータに関しては、パスワード付きのファイルやハードディスクに隔離して保存しておくようにしましょう。
整理方法④SNSや連絡先の対処
SNSのアカウントは、没後も残り続けます。
そのため、あらかじめIDとパスワードの一覧表を作成しておき、遺族にどのように対処して欲しいのかまとめておくようにしましょう。
また、連絡先に関しても、誰を葬儀に読んで欲しいのかあらかじめ決めておくことで遺族の負担を減らすことができます。
デジタル遺品対策まとめ
ここまでデジタル遺品の種類や対策についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?
デジタル遺品は、どうしても本人以外だと対応が難しいもの。是非とも、生前準備をしておくことをオススメします。
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