葬儀マナー

葬儀の席順と焼香の順番を図解|喪主・親族・一般参列者の座る位置とトラブル防止策

通夜告別式の席順
執筆・監修: 本間 喜昭(関東の老舗石材店で10年勤務・1,000件超の法要・納骨に携わった実務経験者)
最終更新日: 2026年5月7日

葬儀の席順は、基本的に「故人と縁が深い人ほど祭壇に近い上座に座る」と考えます。焼香の順番も席順と連動し、喪主、遺族、親族、会社関係者、友人、一般参列者の順に進むのが一般的です。

ただし、喪主の妻はどこに座るのか、故人の配偶者と子どもはどちらを優先するのか、孫や兄弟姉妹の順番はどうするのかなど、親族間で迷いやすいポイントも多くあります。

この記事では、葬儀の席順、焼香の順番、喪主・親族・一般参列者の座る位置、家族葬や精進落としの席順、親族トラブルを防ぐ決め方まで図解でわかりやすく解説します。

葬儀の席順・焼香順番の結論早見表

疑問 結論
上座はどこ? 祭壇に近い前列。通路側から焼香に出やすい席が上座になりやすい
喪主はどこに座る? 祭壇に向かって右側の親族席、最前列の通路側が一般的
親族席と一般席はどちら側? 親族は祭壇に向かって右側、一般参列者は左側が多い
焼香の順番は? 喪主、遺族、親族、会社関係者、友人、一般参列者の順が基本
喪主の妻はどこ? 喪主の隣が一般的。ただし故人の配偶者や地域慣習を優先する場合あり
家族葬でも席順は必要? 基本は同じ。ただし少人数なら家族が落ち着ける配置でよい

葬儀の席順の基本ルール

葬儀の祭壇と親族席

葬儀の席順は、故人との関係が深い方ほど祭壇に近い席に座るのが基本です。席順は焼香の順番にも関わるため、親族が多い場合は事前に決めておくと当日の混乱を防げます。

席の位置 座る人の目安 考え方
最前列・上座 喪主、故人の配偶者、子ども 故人に最も近い遺族
前方から中列 孫、故人の両親、兄弟姉妹 血縁や家族関係が近い順
中列から後列 おじ・おば、いとこ、遠縁の親族 故人との関係や年齢を見て調整
後方・下座 一般参列者、会社関係者、友人・知人 一般席の中では前方から座る

覚え方: 祭壇に近い席が上座、出入口に近い席が下座です。焼香は基本的に上座から行うため、席順を決めることは焼香順を決めることでもあります。

親族席と一般席の配置を図解

多くの葬儀会場では、中央通路を挟み、祭壇に向かって右側が遺族・親族席、左側が一般参列者席になります。ただし、会場や地域によって逆になることもあるため、最終的には葬儀社の案内に従いましょう。

葬儀会場の席配置イメージ

祭壇
右側
遺族・親族席
喪主は前列通路側
通路 左側
一般参列者席
前方から着席
出入口・受付側

喪主の座る位置

喪主は、祭壇に向かって右側の親族席、最前列の通路側に座るのが一般的です。最初に焼香を行い、挨拶で立つこともあるため、移動しやすい位置が選ばれます。

  • 喪主は焼香の最初に立つため、通路側が動きやすい
  • 喪主挨拶の際に祭壇やマイクへ移動しやすい
  • 葬儀社スタッフから進行の合図を受けやすい

喪主の妻・夫はどこに座る?

喪主の配偶者は、喪主の隣に座るのが一般的です。喪主が長男であれば、長男の妻が喪主の隣に座る形です。

ただし、故人の配偶者が存命の場合や、地域で「血縁を優先する」慣習が強い場合は、故人の配偶者や実子を喪主の近くに配置することもあります。

迷いやすいケース: 喪主の妻は葬儀を支える重要な立場ですが、故人との血縁はありません。そのため、故人の配偶者や実子より前に座ることを気にする親族がいる場合があります。事前に親族内で確認し、葬儀社にも共有しておきましょう。

親族席の席順テンプレート

親族席の順番は、血縁順、家族単位、地域慣習のどれを重視するかで変わります。迷ったときは、次の順番を基本に調整します。

順番 座る人 補足
1 喪主 最前列の通路側
2 喪主の配偶者、または故人の配偶者 家族構成により調整
3 故人の子ども 喪主以外の子どもとその家族
4 故人の両親 高齢の場合は出入口近くなど配慮も可
5 年齢が低い場合は親と一緒に焼香
6 故人の兄弟姉妹 年齢順・本家筋など地域慣習で調整
7 その他親族 おじ・おば、いとこ、甥姪など

焼香の順番

焼香は、故人と関係が深い人から順に行うのが基本です。会場では席順どおりに案内されるため、席順と焼香順をセットで決めるとスムーズです。

順番 焼香する人 補足
1 喪主 最初に焼香する
2 遺族 故人の配偶者、子どもなど
3 親族 両親、孫、兄弟姉妹、親戚など
4 会社関係者・来賓 弔辞者、上司、取引先などは前方に案内することがある
5 友人・知人 故人と親しかった方は前方へ案内することもある
6 一般参列者 一般席の前方から順に進む

焼香の作法や宗派ごとの回数を詳しく知りたい方は、関連記事も確認してください。

関連記事: 焼香の回数とやり方は?喪主と参列者で仕方に違いはあるの?

親族内の焼香順で迷いやすいケース

孫の焼香順番

孫は、故人の子どもの後に焼香することが多いです。小さな孫は一人で焼香せず、親と一緒に行うこともあります。成人した孫が多い場合は、親の順番に続けて家族単位で焼香すると自然です。

兄弟姉妹の順番

故人の兄弟姉妹は、故人の配偶者・子ども・両親の後に焼香することが多いです。ただし、故人に子どもがいない場合や兄弟姉妹が喪主を務める場合は順番が繰り上がります。

本家・分家の扱い

地域によっては、本家筋や年長者を前方に案内する慣習があります。普段は意識しない関係でも、葬儀の場では親族が気にすることがあるため、年長者に確認しておくと安心です。

離婚・再婚・内縁関係がある場合

故人の家族関係が複雑な場合は、形式的な続柄だけで席順を決めると気持ちの行き違いが起こることがあります。参列するか、どの席に座るか、焼香順をどうするかを喪主と葬儀社で事前に相談しましょう。

一般参列者・会社関係者の席順

一般参列者は、祭壇に向かって左側の一般席に座ることが多く、基本的には前方から順に着席します。

会社関係者や来賓がいる場合は、弔辞を読む方、故人の上司、取引先、世話役などを前方に案内することがあります。一般参列者の細かな順番は、葬儀社スタッフが誘導することが多いので、案内に従えば問題ありません。

一般参列者として迷ったら: 親族席には座らず、受付後に案内された一般席へ向かいます。席が指定されていない場合は、一般席の後方や空いている席に静かに座りましょう。

席札・座席表は必要?

親族が多い葬儀、会社関係者が多い葬儀、社葬・団体葬では、席札や座席表を用意すると混乱を防げます。

用意した方がよいケース 理由
親族が多い 焼香順で迷いやすく、親族トラブルを防ぎやすい
遠方親族や本家・分家が集まる 地域慣習を反映しやすい
弔辞者・来賓がいる 前方席へ確実に案内できる
社葬・団体葬 役職や来賓順の調整が必要
会食まで同じメンバーで進む 精進落としの席次も準備しやすい

家族葬の席順

家族葬でも、基本的には一般葬と同じく、故人と関係が深い人ほど祭壇に近い席に座ります。ただし、参列者が少ない場合は厳密な席順にこだわりすぎる必要はありません。

家族だけで故人を囲むように座る、親族を前方にまとめる、体の不自由な方を通路側にするなど、故人をゆっくり見送れる配置を優先して構いません。

通夜と葬儀・告別式の席順は同じ?

通夜と葬儀・告別式の席順は、基本的に同じで問題ありません。通夜で席順を決めたら、翌日の葬儀でも同じ並びにすると、親族も迷いにくくなります。

ただし、通夜だけ参列する方、葬儀だけ参列する方がいる場合は、空席が出ないように当日の出席状況に合わせて調整しましょう。

精進落とし・会食の席順

葬儀後の精進落としでは、葬儀式場の席順と考え方が変わることがあります。精進落としは、喪主や遺族が僧侶や参列者をもてなす場です。

座る人の目安 考え方
上座 僧侶、世話役、来賓、故人と親しかった方 もてなす相手を上座へ案内
中ほど 親族、友人、会社関係者 関係性を見ながら調整
下座 喪主・遺族 挨拶や配膳対応をしやすい位置

式場によってはスタッフが席へ案内してくれます。精進落としの席順は地域差もあるため、葬儀社と相談して決めるのが安心です。

特別な配慮が必要な方への対応

席順のルールよりも、参列者が安全に参列できることが大切です。次のような方には、上座・下座にこだわりすぎず配慮しましょう。

対象 配慮のポイント
高齢者・体が不自由な方 通路側、出入口近く、車椅子が通れる席にする
赤ちゃん・小さな子ども連れ 途中退席しやすい後方や通路側にする
妊娠中の方 体調に合わせて移動しやすい席にする
体調不安がある方 出入口近くやスタッフに相談しやすい席にする
車椅子の方 焼香台まで行けない場合は席近くに香炉を用意できるか相談

席順・焼香順でトラブルになりやすいケース

喪主の配偶者をどこに座らせるかで揉める

喪主の配偶者は喪主を支える立場ですが、故人との血縁がないため、実子や故人の配偶者との順番で迷いやすいです。親族が気にしそうな場合は事前に相談しましょう。

孫・兄弟姉妹・本家の順番で揉める

故人との血縁、年齢、同居の有無、本家筋、墓守の立場など、家庭によって重視するポイントが違います。喪主だけで決めず、葬儀社と年長者に確認すると安心です。

上座に空席ができる

上座の方が遅れて来る場合、席を空けたままにするか詰めるか迷うことがあります。開式前に出欠を確認し、来場が難しい場合は詰めて座る判断も必要です。

実務経験者からひとこと

法要や納骨の現場でも、席順や焼香順は「正解」よりも「親族が納得しているか」が大切です。喪主が一人で決めるより、葬儀社に案を作ってもらい、年長者に一言確認しておくと、当日の不満を防ぎやすくなります。

事前準備チェックリスト

  • 参列する親族・関係者のリストを作った
  • 故人との続柄を整理した
  • 喪主、故人の配偶者、子どもの席順を確認した
  • 喪主の配偶者の席をどうするか決めた
  • 孫・兄弟姉妹・本家筋の扱いを確認した
  • 高齢者・車椅子・子ども連れへの配慮を決めた
  • 焼香の順番と席順を一致させた
  • 席札や座席表が必要か葬儀社に相談した
  • 通夜と葬儀で同じ席順にするか確認した
  • 精進落としの席順も確認した

よくある質問

葬儀の席順で喪主はどこに座りますか?

喪主は、祭壇に向かって右側の親族席、最前列の通路側に座るのが一般的です。焼香や挨拶で動きやすい位置が選ばれます。

喪主の妻はどこに座りますか?

喪主の隣に座るのが一般的です。ただし、故人の配偶者や実子を優先する地域・家庭もあるため、事前に親族や葬儀社と確認しておきましょう。

親族席と一般参列者席はどちら側ですか?

多くの会場では、祭壇に向かって右側が親族席、左側が一般参列者席です。ただし会場や地域で逆になる場合もあります。

焼香の順番は誰からですか?

一般的には、喪主、遺族、親族、会社関係者、友人、一般参列者の順です。葬儀委員長や来賓がいる場合は順番を調整することがあります。

孫の焼香順番はいつですか?

孫は、故人の子どもの後に焼香することが多いです。小さな孫は親と一緒に焼香しても構いません。

家族葬でも席順は必要ですか?

基本の考え方は同じですが、少人数の家族葬では厳密な席順にこだわりすぎる必要はありません。故人をゆっくり見送れる配置を優先してよいでしょう。

一般参列者はどこに座ればいいですか?

祭壇に向かって左側の一般席に座ることが多いです。指定がなければ、案内スタッフの指示に従い、空いている席へ静かに座りましょう。

席順を間違えたら失礼ですか?

大きな問題になることは少ないですが、焼香順に影響することがあります。迷ったら葬儀社スタッフに確認すれば案内してもらえます。

上座に空席ができそうな場合はどうしますか?

来場が難しいとわかった時点で席を詰めるのが一般的です。開式直前まで判断に迷う場合は、葬儀社スタッフに相談しましょう。

精進落としの席順は葬儀と同じですか?

同じとは限りません。精進落としでは、僧侶や参列者を上座に案内し、喪主・遺族が下座に座ることがあります。

まとめ

葬儀の席順は、故人と縁が深い人ほど祭壇に近い席に座るのが基本です。喪主は親族席の最前列通路側に座り、焼香は喪主、遺族、親族、会社関係者、友人、一般参列者の順に進むのが一般的です。

ただし、喪主の妻、故人の配偶者、孫、兄弟姉妹、本家・分家など、親族の考え方によって迷いやすい点があります。席順と焼香順は、葬儀社に相談しながら事前に決め、親族へ共有しておくと安心です。

何より大切なのは、形式だけでなく、参列者全員が落ち着いて故人を見送れることです。地域や家の慣習を尊重しつつ、高齢者や子ども連れなどへの配慮も忘れずに進めましょう。

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キリスト教の葬式に参列する際のマナーは?香典やお悔やみの言葉は?

キリスト教のお葬式に参列する際のマナーを解説した記事

日本の葬式の9割は仏教式なので、キリスト教の葬式に参列する機会はなかなかないでしょう。しかし、だからこそ、急にキリスト教の葬式に出ることになったら、慌ててしまいます。「お悔やみの言葉にタブーはあるの?」「讃美歌などを歌うのだろうか?」などの疑問にお答えするため、キリスト教の葬式の流れ、香典やお悔やみのマナーについて解説します。

 





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神道の葬儀(神葬祭)とは?玉串奉奠のやり方・玉串料相場・お悔やみ言葉・仏式との違い【2026年版】

神道のお葬式に関するマナー等解説記事
執筆・監修:本間 喜昭(関東の老舗石材店で10年勤務・1,000件超の法要・納骨に携わった実務経験者)
最終更新日:2026年5月7日

「神道の葬儀に参列することになったけれど、何をすればいいかわからない」「玉串奉奠のやり方を直前に確認したい」「香典袋には御玉串料と書けばいいの?」と不安になる方は少なくありません。

神道の葬儀は神葬祭(しんそうさい)と呼ばれ、仏式の葬儀とは考え方・言葉遣い・拝礼作法が異なります。焼香ではなく玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行い、数珠は使わず、「ご冥福」「成仏」「供養」などの仏教用語も避けるのが基本です。

この記事では、神道の葬儀の流れ、玉串奉奠の作法、玉串料の相場と封筒の書き方、参列マナー、五十日祭、神道式のお墓・納骨まで、初めて参列する方にもわかるように解説します。

神道の葬儀で迷いやすいポイント早見表

疑問 結論
神道の葬儀の呼び名は? 神葬祭。仏式の葬儀・告別式にあたる儀式です。
焼香はする? 焼香はせず、玉串奉奠を行います。
拝礼の作法は? 二礼・二拍手・一礼。葬儀では音を立てない「しのび手」で行います。
香典の表書きは? 御玉串料が最も無難。御榊料・御神前・御霊前が使われることもあります。
玉串料の相場は? 仏式の香典と同程度。友人・知人は3,000円から1万円、親族は1万円から10万円が目安です。
数珠は必要? 不要です。数珠は仏教の法具のため、神葬祭では使いません。
お悔やみの言葉は? 「御霊のご平安をお祈りいたします」が神式らしい表現です。
四十九日にあたる儀式は? 五十日祭。忌明けの大切な節目です。
神道のお墓は仏式と違う? 墓石の形は大きく変わらないことも多いですが、刻む文字や納骨儀礼に違いがあります。

神道の葬儀(神葬祭)とは

神式のお葬式に関する基本

神道の葬儀は「神葬祭」と呼ばれます。神道では、亡くなった方の御霊(みたま)を鎮め、やがて家や子孫を見守る祖霊としておまつりするという考え方があります。

仏式では、故人の成仏や冥福を祈る表現が使われます。一方、神式では故人の御霊を丁重にまつる考え方のため、「冥福」「成仏」「往生」「供養」などの仏教用語を避ける点が大きな違いです。

神社で葬儀をしない理由:
神道では死を「穢れ」と考えるため、神社の境内ではなく、自宅・葬儀会館・斎場などに神職を招いて行うのが一般的です。地域や神社によって細かな進め方は異なるため、実際に行う場合は葬儀社と神職へ早めに確認しましょう。

神道の葬儀と仏式葬儀の違い

神式葬儀で戸惑いやすいのは、仏式で当たり前だと思っていた言葉や作法がそのまま使えない点です。まずは違いを一覧で確認しましょう。

項目 仏式 神式(神葬祭)
葬儀の呼び名 葬儀・告別式 神葬祭・葬場祭
宗教者の呼び名 僧侶・住職 神職・斎主
故人への拝礼 焼香 玉串奉奠
持ち物 数珠を持参することが多い 数珠は使わない
香典の表書き 御香典・御霊前など 御玉串料・御榊料など
位牌にあたるもの 位牌 霊璽(れいじ)
戒名にあたるもの 戒名・法名 諡(おくりな)・霊号
四十九日にあたるもの 四十九日法要 五十日祭
年忌法要にあたるもの 一周忌・三回忌など 一年祭・三年祭など
会食 精進落とし 直会(なおらい)

焼香の作法と比較して確認したい方は、関連記事の焼香の回数とやり方も参考にしてください。

神葬祭の流れ

神葬祭は地域差がありますが、一般的には通夜にあたる「通夜祭」と、葬儀・告別式にあたる「葬場祭」を中心に進みます。

1日目:通夜祭・遷霊祭

儀式名 内容
帰幽奉告 故人が亡くなったことを神棚・祖霊舎などへ報告します。神棚封じを行うこともあります。
枕直しの儀 遺体を安置し、米・酒・塩・水などを供えます。地域によって行い方は異なります。
納棺の儀 遺体を棺に納める儀式です。遺族・親族で拝礼します。
通夜祭 仏式の通夜にあたる儀式です。神職が祭詞を奏上し、遺族や参列者が玉串奉奠を行います。
遷霊祭 故人の御霊を霊璽へ移す儀式です。式場の明かりを落として厳かに行われることがあります。

2日目:葬場祭・火葬祭・帰家祭

儀式名 内容
修祓 神職が会場・参列者・供物などを清めます。
葬場祭 仏式の葬儀・告別式にあたる中心的な儀式です。祭詞奏上、弔辞、玉串奉奠などを行います。
発柩祭 出棺にあたって行う儀式です。省略される場合もあります。
火葬祭 火葬場で行う儀式です。神職による祭詞奏上や玉串奉奠が行われることがあります。
埋葬祭 遺骨をお墓へ納める儀式です。近年は五十日祭に合わせて行うケースも多くあります。
帰家祭 葬儀が無事に終わったことを霊前に奉告する儀式です。
直会 仏式の精進落としにあたる会食です。参列者や神職へのお礼の意味があります。
実務上の注意:
神葬祭の式次第は、地域・神社・葬儀社によってかなり違います。参列者としては、玉串奉奠・しのび手・数珠を使わないことを押さえておけば十分です。喪主側は、神職と葬儀社に「どの儀式を行うか」「火葬場や墓前に神職が同行するか」を事前に確認しましょう。

玉串奉奠のやり方を図解風に解説

玉串奉奠は、仏式の焼香にあたる神式の拝礼です。玉串とは、榊などの枝に紙垂(しで)を付けたものです。作法を完璧に覚えていなくても、神職や葬儀スタッフの案内に従えば問題ありません。

  1. 神職・遺族へ一礼して玉串を受け取る
    右手で枝の根元を上から持ち、左手で葉先を下から支えます。胸の高さで持つと安定します。
  2. 玉串案(台)の前へ進む
    祭壇前まで進み、玉串案の前で一礼します。
  3. 玉串を時計回りに90度回す
    玉串を縦に立てるようにし、根元を自分側に向けます。
  4. さらに時計回りに180度回す
    根元が祭壇側を向くように持ち替えます。
  5. 玉串を台に置く
    根元を祭壇へ向けて、玉串案の上に静かに置きます。
  6. 二礼・二拍手・一礼をする
    二度深く礼をし、音を立てない「しのび手」で二拍手し、最後に一礼します。
  7. 神職・遺族へ礼をして席へ戻る
    数歩下がってから向きを変え、神職と遺族へ一礼して戻ります。
しのび手のポイント
神社参拝では音を立てて柏手を打ちますが、神葬祭では音を立てません。両手を合わせる直前で止めるように、静かに二拍手します。ここを間違えなければ、作法全体の印象は大きく崩れません。

玉串料の相場はいくら?関係性別の目安

神式葬儀では、仏式の香典にあたるお金を「玉串料」と呼びます。金額は仏式の香典と同程度を目安にして問題ありません。

故人との関係 玉串料の目安 補足
親・義理の親 5万円から10万円 喪主・施主側でない場合の目安。家族間で調整しましょう。
兄弟姉妹 3万円から5万円 地域や家族関係により上下します。
祖父母 1万円から3万円 年齢や同居有無でも変わります。
叔父・叔母・いとこ 5,000円から3万円 親族間の慣習に合わせるのが安心です。
友人・知人 3,000円から1万円 関係が深い場合は1万円程度が多いです。
会社関係者 5,000円から1万円 会社として包む場合は社内規定を確認します。
近所・町内会 3,000円から5,000円 地域の相場に合わせます。

※金額は一般的な目安です。地域・年齢・故人との関係・親族内の慣習によって変わります。

玉串料の封筒・表書き・お札の入れ方

神式とわかっている場合、表書きは「御玉串料」が最も無難です。仏式の「御香典」は避けましょう。

項目 神式葬儀での考え方
表書き 御玉串料・御榊料・御神前・御霊前など。迷ったら御玉串料。
避ける表書き 御香典・御仏前・御供物料など、仏式色が強いもの。
封筒 蓮の絵がない不祝儀袋。白無地封筒を使う地域もあります。
水引 黒白・双銀・白黒の結び切りが一般的です。
弔事では薄墨が一般的。用意がなければ通常の筆ペンでも失礼とまではされにくいです。
お札 新札は避けるのが一般的。新札しかない場合は一度折り目をつけます。
渡し方 袱紗に包んで持参し、受付で相手側に向けて渡します。
「御霊前」は使える?
神式でも「御霊前」が使われることはあります。ただし、神式とわかっているなら「御玉串料」が最もわかりやすく無難です。宗教が不明な場合は、葬儀案内や受付で確認しましょう。

神職への謝礼は何と書く?祭祀料・御礼の考え方

喪主・遺族側が神職へお礼を渡す場合は、参列者が持参する玉串料とは目的が異なります。表書きは「御祭祀料」「御礼」「御祈祷料」「御玉串料」などが使われます。

金額は神社・地域・儀式の範囲によって変わります。通夜祭・葬場祭だけでなく、火葬祭・埋葬祭・五十日祭まで依頼するかによって総額が変わるため、葬儀社を通じて早めに確認しましょう。

仏式のお布施との違いを確認したい方は、関連記事のお布施の相場と渡し方も参考になります。

神式葬儀で使ってはいけない言葉・使える言葉

神式葬儀では、仏教用語を避けるのが基本です。特に「ご冥福をお祈りします」はよく使われる言葉ですが、神式では避けた方が無難です。

避けたい言葉

  • ご冥福をお祈りします
  • 成仏してください
  • 供養
  • 往生
  • 極楽浄土
  • 戒名
  • 僧侶・住職
神式で使いやすい言葉

  • 御霊のご平安をお祈りいたします
  • 安らかにお眠りください
  • このたびはご愁傷様でございます
  • 突然のことで言葉もございません
  • 心より哀悼の意を表します
迷ったときの一言:
受付や遺族へ声をかけるなら「このたびはご愁傷様でございます」が無難です。より神式らしく言うなら「御霊のご平安をお祈りいたします」と伝えましょう。

神葬祭に参列するときの服装・持ち物

服装は仏式と同じ喪服でよい

神式葬儀でも、服装は仏式と同じく黒を基調とした喪服が基本です。男性は黒の礼服・白シャツ・黒ネクタイ・黒靴、女性は黒のワンピースやアンサンブル、黒ストッキング、控えめなアクセサリーが一般的です。

数珠は持たない

数珠は仏教の法具のため、神式葬儀では使いません。普段の葬儀セットに数珠を入れている方は、式中に手に持たないよう注意しましょう。

持ち物チェックリスト

  • 御玉串料を入れた不祝儀袋
  • 袱紗
  • 黒のハンカチ
  • 葬儀案内状・会場地図
  • 必要に応じて替えのマスク・雨具
  • 数珠は不要

手水の儀がある場合の作法

神式葬儀では、儀式前に手や口を清める「手水の儀」を行うことがあります。近年は会場都合で省略されることもありますが、用意がある場合は次の流れで行います。

  1. 右手でひしゃくを持ち、水をすくって左手にかける
  2. 左手に持ち替えて右手にかける
  3. 右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
  4. もう一度左手を清める
  5. ひしゃくを立て、柄に水を流して戻す

ひしゃくに直接口をつけないようにしましょう。

神棚封じと忌中はいつまで?

家族が亡くなった場合、神棚や祖霊舎の扉を閉じ、白い紙を貼る「神棚封じ」を行うことがあります。これは、死の穢れが神棚へ及ばないようにするための慣習です。

一般的には、五十日祭を終えるまでが忌中とされます。五十日祭が終わったら神棚封じを解き、普段の拝礼を再開します。ただし地域差があるため、氏神神社や葬儀社に確認すると安心です。

神社参拝はいつから?
地域慣習がある場合はそれに従います。特に決まりがない場合、五十日祭を終えて忌明けとなってから神社参拝を再開する考え方が一般的です。

神葬祭後の霊祭:五十日祭・一年祭・三年祭

神道では、葬儀後の法要にあたる儀式を「霊祭(みたままつり)」と呼びます。特に重要なのが、仏式の四十九日法要にあたる五十日祭です。

神式の儀式 仏式との対応 時期・意味
十日祭・二十日祭・三十日祭・四十日祭 初七日以降の追善法要に近い位置づけ 近年は省略または身内だけで簡略化されることもあります。
五十日祭 四十九日法要 忌明けの節目。納骨や合祀祭を合わせることがあります。
百日祭 百箇日法要 故人をしのぶ節目の霊祭です。
一年祭 一周忌 亡くなってから満1年で行います。
三年祭 三回忌 亡くなってから満3年で行います。
五年祭・十年祭・五十年祭 年忌法要・弔い上げ 節目ごとに行います。五十年祭をまつりあげとする考え方があります。

神道式のお墓・納骨で注意すること

神道でも、墓石を建てて納骨することは一般的です。お墓の形自体は仏式と大きく変わらないことも多いですが、墓石に刻む文字や納骨時の儀式に違いが出る場合があります。

墓石の正面文字

「○○家奥津城」「先祖代々之奥津城」「○○家之墓」などが使われます。地域や神社の考え方で異なります。

戒名ではなく諡・霊号

仏式の戒名ではなく、「○○大人命」「○○刀自命」などの諡や霊号を用いることがあります。

納骨は五十日祭に合わせることが多い

火葬当日に埋葬する地域もありますが、近年は五十日祭に合わせて納骨するケースが増えています。

寺院墓地は条件確認が必要

寺院墓地では宗派や檀家条件がある場合があります。神道の方は、公営霊園・民営霊園も候補に入れると選びやすくなります。

石材店経験者からひとこと:
神道のお墓で多い確認漏れは、墓石に刻む文字です。霊璽・火葬許可証・神職から聞いた諡の表記が一致しているかを確認しないまま彫刻へ進むと、旧字や命名表記の違いで修正が必要になることがあります。墓誌や石碑に刻む前に、必ず神職・家族・石材店の三者で文字を確認してください。

位牌との違いを確認したい方は、関連記事の位牌の値段相場・作る時期・文字入れも参考にしてください。神式では位牌ではなく霊璽を用いるため、仏式と混同しないよう注意しましょう。

神式葬儀の費用は仏式より安い?

「神式は戒名料がないから安い」と言われることがありますが、一概には言えません。神式には戒名料はありませんが、神職への祭祀料、玉串・祭具、葬儀会館使用料、火葬祭・埋葬祭への同行費用などがかかります。

比較するときは、葬儀一式費用だけでなく、次の費用を含めた総額で確認しましょう。

  • 葬儀社の基本プラン費用
  • 神職への御祭祀料・御礼
  • 玉串・神式祭壇・供物の費用
  • 火葬祭・埋葬祭・五十日祭まで依頼する場合の追加費用
  • 霊璽・祖霊舎・神棚封じ用品などの費用
  • お墓の新設・墓誌彫刻・納骨作業費

参列者が当日迷わないための3分チェック

確認項目 当日の行動
数珠 持たない・手に出さない。
表書き 神式とわかっていれば「御玉串料」。
玉串奉奠 根元を祭壇へ向けて置き、二礼・しのび手二拍手・一礼。
お悔やみの言葉 「御霊のご平安をお祈りいたします」または「ご愁傷様でございます」。
服装 仏式と同じ黒の喪服でよい。
不安な作法 神職・葬儀スタッフ・前の参列者の動きに合わせる。

喪主・遺族側が事前に確認すべきこと

喪主・遺族として神葬祭を行う場合は、仏式よりも周囲が慣れていないことがあります。葬儀社と神職へ、次の点を確認しておくと進行がスムーズです。

  • 通夜祭・遷霊祭・葬場祭・火葬祭・埋葬祭のうち、どこまで行うか
  • 神職が火葬場や墓地まで同行するか
  • 神棚封じを誰が行うか
  • 霊璽・祖霊舎をいつ準備するか
  • 玉串料・御祭祀料の目安と渡すタイミング
  • 五十日祭と納骨を同日に行うか
  • 墓石や墓誌に刻む文字を誰が確認するか
  • 参列者へ「数珠不要」「玉串奉奠あり」と事前に案内するか

よくある質問

神道の葬儀では焼香をしますか?

焼香はしません。神式では、榊などの枝に紙垂をつけた玉串を捧げる「玉串奉奠」を行います。

玉串奉奠の作法を間違えたら失礼ですか?

大きな失礼にはなりません。神職や葬儀スタッフの案内に従い、落ち着いて一礼・玉串を置く・しのび手で拝礼する流れを行えば問題ありません。

神式葬儀に数珠を持って行ってもよいですか?

持参しても構いませんが、式中は使いません。数珠は仏教の法具のため、神葬祭では手に持たないようにしましょう。

神式葬儀で「ご冥福をお祈りします」は使えますか?

避けた方が無難です。「冥福」は仏教的な表現のため、神式では「御霊のご平安をお祈りいたします」などに言い換えましょう。

玉串料の表書きは何が正しいですか?

神式葬儀では「御玉串料」が最も無難です。地域によって「御榊料」「御神前」「御霊前」が使われることもあります。

玉串料はいくら包めばよいですか?

仏式の香典と同程度が目安です。友人・知人は3,000円から1万円、親族は1万円から10万円程度が一般的ですが、地域や関係性で変わります。

神式葬儀は神社で行いますか?

一般的には神社では行いません。神道では死を穢れと考えるため、自宅・葬儀会館・斎場などに神職を招いて行います。

神道の四十九日は何といいますか?

神道では仏式の四十九日法要にあたる儀式を「五十日祭」と呼びます。忌明けの重要な節目です。

神棚封じはいつまで行いますか?

一般的には五十日祭を終えるまでとされます。地域慣習がある場合は、氏神神社や葬儀社に確認しましょう。

神式葬儀でも喪服は必要ですか?

必要です。服装は仏式葬儀と同じく、黒を基調とした喪服・ブラックフォーマルが基本です。

神道のお墓には何と刻みますか?

「○○家奥津城」「先祖代々之奥津城」「○○家之墓」などが使われます。地域や神職の考え方で異なるため、彫刻前に必ず確認しましょう。

神式の納骨はいつ行いますか?

火葬当日に埋葬する地域もありますが、近年は五十日祭に合わせて納骨するケースが多くあります。墓地・神職・石材店の予定を早めに調整しましょう。

まとめ

神道の葬儀(神葬祭)は、焼香ではなく玉串奉奠を行い、数珠を使わず、仏教用語を避ける点が仏式との大きな違いです。参列者は、玉串奉奠の流れと「しのび手」だけ押さえておけば、過度に不安になる必要はありません。

喪主・遺族側は、神職への謝礼、神棚封じ、霊璽、五十日祭、納骨、お墓の文字まで確認事項が多くなります。特に神道式のお墓では、墓石や墓誌に刻む文字を神職・家族・石材店で確認してから進めることが大切です。

神道式のお墓・納骨・墓石文字でお困りの方へ

神葬祭後は、五十日祭に合わせて納骨や墓誌彫刻を進める方が多くいます。神道式の墓石文字、霊璽との表記確認、納骨作業、墓地選びで迷う場合は、「お墓探しのミカタ」の無料石材店マッチングサービスをご利用ください。

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葬儀のお清めの塩の意味は?使い忘れた時や余った塩はどうすれば?

葬儀のお清めの塩について専門記事

現在では渡すところも少しずつ少なくなってきましたが、現在でも、葬儀(お葬式)の際に「お清めの塩を持って帰ってもらう」という風習は息づいています。

 

この「お清めの塩」は香典返しについていることもありますが、「葬儀から帰った父に、母がお清めの塩を振っていたのを覚えている」というように家庭で用意することもあります。

 

では、この「お清めの塩」にはどのような意味があるのでしょうか? 

 

また、余った塩などはどのように処分するべきなのでしょうか?




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喪服はレンタルできる?レディース&メンズ身だしなみとマナー

喪服のレンタルサービスを比較

葬儀にまとうべき服装である「喪服」は、現在は大型ショッピングセンターなどに行けば即日手に入れることができます。

ただ、非常に忙しい人などの場合、訃報を受けてもお店が開いている時間に足を運ぶのが難しいこともあります。

このような場合に頼りになるのが、「喪服のレンタル」です。
人が亡くなった場合、多くのご家族がお葬式を挙げます。またそのあとに、一連の法要を行うこともあるでしょう。
今回はそのなかから、「百箇日法要(ひゃっかにちほうよう。「百ヶ日法要」と記すこともある)」を取り上げます。



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