みなさんはお墓の購入金額の平均をご存知でしょうか。
お墓の購入費の全国平均は約195万円と言われています。大変高額ですね。軽自動車が1台買えてしまうだけの金額です。
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すでに先祖代々の墓地があるか、新しく寿陵(生前にお墓を建てること)で建墓済みであるならまだしも、突然の不幸であればなおさら費用を用意するのが大変です。
そんな時にローンでの支払いという便利な選択肢があります。今回は、いざと言うときに頼れるお墓のローンに関して解説していきます。
目次
お墓はローンで購入する事ができる
高額なお墓を現金で支払うことが難しい人向けにお墓のローンも存在します。まずはお墓の購入に使えるローンの種類を詳しく見ていきましょう。
お墓に使えるローンの種類は大きく分けて、銀行のローン(目的別と多目的)と石材店提携の信販会社のローンの主に2種類に分けられます。銀行のローンのうち目的別ローンはその名の意味するとおり、あらかじめ用途が決まっているローンで、銀行などが展開しているメモリアルローンがそれにあたります。
多目的ローンは用途が自由でそれをお墓の購入資金に充てられるというものです。これは銀行のカードローンなどが該当します。
銀行のお墓に利用できるローン
ここでは、ローン利用者の多くが利用する銀行の目的別ローンについて説明していきます。
目的別ローンの中にお墓建てる際に利用できるローンも存在します。メモリアルローンなどの名称で、用途はお墓関連に限られ、おもに下記が該当します。
・ 墓石本体の購入費(工事費含む)
・ 仏壇仏具の購入費
・ 葬儀に関わる費用
上記に関わる費用について、年利平均6〜10%で10万円〜1000万円程度借り入れができるのが相場です。
ただし、金融機関によって借り入れ可能な金額や利用条件に違いがありますので、事前に確認しましょう。またローンを組む際に保証人や担保が不要な場合も多いので、心理的なハードルも低いのではないでしょうか。
そして、建墓の際に利用できる銀行のローンには、「目的別(建墓)ローン」と「多目的(カード)ローン」があります。細かく見ていきましょう。
①銀行の目的別(建墓)ローン
銀行がお墓を建てるために用意しているローンです。銀行の場合は銀行法が適用されるため、高額融資が下りやすいなど、他のローンと比べて利用しやすくなっています。
また他の銀行系の他のローンと比較して、審査が早くて通りやすいと言われています。これは用途が明確に決まっているので、銀行の与信審査部門としても融資がしやすいという事情があるようです。
②銀行の多目的(カード)ローン
用途が特に決まっていない「カードローン」。現在メガバンクはじめ多くの銀行・金融機関が展開していて、用途を問いませんので、もちろんお墓の購入費にあてることもできます。
注意しなければいけない点は、銀行の多目的ローンは金利がメモリアルローンと比較すると年5〜18%程度と高めな相場です。
ちなみにカードローンの利用額が大きいほど金利は下がるので、使い方によってはメモリアルローンよりも有利な融資条件を引き出せる可能性があります。
石材店と提携する信販会社の建墓クレジット
お墓を建てる際に一番多く利用されるがローンが、石材店と提携する信販会社の建墓ローンです。
オリックス、オリコ、ジャックスなど大手の信販会社を中心に石材店と提携した建墓ローンの取り扱いがあります。
石材店によっては対応していない場合があるのと、提携する石材店によって金利の幅がありますので、検討の際は契約前に石材店の担当者に確認する必要があります。
金利や支払い回数など、銀行のローンと比べて得なのか?損なのか?を銀行ローンの利用条件と比較検討することをおすすめします。
石材店独自のお墓ローン
ごく少数ではありますが、独自のローンに対応している石材店もあります。
その石材店の経営状況に左右されるかと思いますので、条件などを十分に確認して、利用の際は慎重に検討するようにしましょう。
お墓をローンで建てるメリットとデメリット
お墓を建てる際にローンを利用することによるメリットもあればデメリットも当然あります。具体的にみていきましょう。
お墓をローンで建てるメリット
なんと言っても手元に現金がなくともお墓が建てられる事が最大のメリットなのではないでしょうか。
手元のに現金がないが、早くお墓を建てて納骨してあげたいと考えた際にローンは強い味方となるでしょう。
また、銀行・ローン会社次第で100回を超える支払い回数でも対応してくれるところもありますので、毎月少額のお金でお墓を建てることができます。
急な不幸に見舞われた場合に、大きな手助けとなることは間違いないでしょう。
お墓をローンで建てるデメリット
① 建墓費用に金利分が上乗せされる
ローンを組むときに無視できないのが金利の存在です。住宅ローンと比べるとかなり高い金利ですので、現金での支払と比べた場合、最終的な支払い総額が大きくなります。
② ローン審査に通らない可能性がある
これまた無視できないのが、ローンを使うときには審査が必要なことです。しっかりとした職業につき、また安定した収入があれば問題ないのですが、そうでない場合ローンを組むことができない場合があります。
③生前墓をローンで購入して完済前に亡くなった場合は節税にならない
相続税の基礎控除以上の資産を持った方が生前墓を購入した場合、相続税の対象となる相続財産が減り、結果的に節税対策になるのですが、ローンで購入して完済前に亡くなった場合はその効果が得られません。多くの資産を持った方は、生前に現金一括払いでお墓を購入する事をおすすめします。
お墓ローンに関するまとめ
今回は、お墓を建てる際に使える建墓ローンに関してご紹介しました。今まで多くの方々の建墓に携わってきた中でローンを組んだお施主さんもいましたが、正直あまりおすすめはできません。
あくまでも著者の個人的な考えですが、故人の供養のためと思って経済的に無理をしてお墓を建てる事は本末転倒なのではないかと感じます。
現在は供養方法も多様化しており、必ずしもお墓を建てる必要はありません。経済的に大きな負担になるようであれば、『納骨堂』『永代供養墓』『樹木葬』『合葬墓』『送骨』などの選択肢もあります。
また、今は建墓費用を用意できないが、いずれお金が貯まったらお墓を建てたいという事であれば一時的に自宅に置いておくか、一時予骨を受け入れている寺院や納骨施設に預けることも可能です。(遺骨を自宅保管することは違法ではありません)
どちらにしても、今を生きる人が無理のない範囲で故人を供養する事が重要だと考えます。
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お墓を建てないと故人に後ろめたい気持ちになるという事であれば、お坊さんがよく使われる言葉を思い浮かべてみてください。
「お気持ちですから」
そうです。供養してあげたいという気持ちを持っていれば、それ自体も供養になるのではないでしょうか。それを踏まえてローンを使うかどうか、検討してみましょう。
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