都立霊園の墓じまいは「施設変更制度」が使える?改葬先・費用・手続きを公式資料から解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
都立霊園施設変更制度とは?
この記事の確認者

本間 喜昭

関東の老舗石材店で10年勤務。建墓・改葬・墓じまい・納骨に1,000件超携わった実務経験者。都立霊園の墓所返還や石材店手配の相談にも対応してきました。

結論:すでに都立霊園を使用している方には「施設変更制度」という選択肢があります。

施設変更制度は、都立霊園の使用者で、お墓の承継者がいない方を対象にした制度です。都立霊園にお墓を持っていない方が、新しく申し込む制度ではありません。

  • 対象は、すでに都立霊園を使用していて、お墓の承継者がいない方
  • 現在のお墓を返還し、遺骨を東京都の合葬式墓地へ改葬する制度
  • 合葬式墓地の使用料・年間管理料は不要
  • 現在のお墓を更地にする費用は使用者負担
  • 年度により実施の有無、受入霊園、受付期間が異なる

「今ある都立霊園のお墓を墓じまいしたい」「子どもにお墓の管理を残したくない」「承継者がいないので、将来無縁墓になる前に整理したい」このように考えている都立霊園の使用者に知っておいてほしいのが、都立霊園の施設変更制度です。

施設変更制度は、一般的な墓じまいのように自分で改葬先を探す方法とは少し違います。現在の都立霊園のお墓を返還し、遺骨を東京都の合葬式墓地(合葬埋蔵施設)へ改葬して、東京都に守ってもらう制度です。

ただし、誰でもいつでも使える制度ではありません。対象者、対象施設、受付時期、費用負担を理解しないまま進めると、「思っていた墓じまいと違った」と後悔する可能性があります。この記事では、公式資料をもとに、すでに都立霊園を使用している方の墓じまい・改葬に絞って分かりやすく解説します。

広告・PR:この記事には、墓じまい・石材店紹介サービスへの案内リンクが含まれます。制度内容は公式資料をもとに整理し、読者の判断に役立つ情報提供を優先しています。

都立霊園の施設変更制度とは

施設変更制度とは、都立霊園の使用者でお墓の承継者がいない方を対象に、現在使用している墓所を返還し、納められている遺骨を東京都の合葬式墓地へ改葬する制度です。

公式資料では、制度の内容として「現在使用しているお墓を返還して、ご遺骨を東京都の合葬式墓地に改葬し、東京都が使用者に代わってご遺骨をお守りしていきます」と説明されています。

制度のイメージ

  1. 今ある都立霊園のお墓を墓じまいする
  2. 墓所を更地にして東京都へ返還する
  3. 納骨されている遺骨を東京都の合葬式墓地へ改葬する
  4. 以後は使用者自身がお墓を管理する必要がなくなる

通常の墓じまいでは、遺骨の改葬先を自分で探す必要があります。一方、施設変更制度では、東京都の合葬式墓地(合葬埋蔵施設)が改葬先になります。そのため、都立霊園の使用者で承継者がいない方にとっては、現実的な選択肢になります。

放置は危険:管理料を長期間滞納すると使用許可取消の対象になります。

TOKYO霊園さんぽのFAQでは、都立霊園の管理料を5年以上滞納すると使用許可の取消対象となり、行政手続きを経て、最終的には東京都が墓所を更地にし、遺骨は無縁塚に改葬されると案内されています。承継者がいない場合は、放置せず、生前に施設変更制度や墓じまいを検討することが大切です。

施設変更制度を利用できる人・対象施設

施設変更制度の対象は、都立霊園の使用者で、お墓の承継者がいない方です。ここでいう使用者とは、都立霊園の使用許可を受けている名義人を指します。

都立霊園にお墓を持っていない方は、この制度の対象ではありません。

施設変更制度は、現在使用している都立霊園の墓所を返還し、納骨されている遺骨を合葬埋蔵施設へ移す制度です。これから都立霊園へ新規申込したい方や、民営霊園・寺院墓地のお墓を整理したい方は、施設変更制度ではなく、通常の墓じまい・改葬・永代供養墓への移転を検討します。

これから都立霊園へ新規で申し込みたい方は、施設変更制度ではなく、募集時期・申込資格・倍率を確認する必要があります。詳しくは都立霊園の募集内容・申込方法・倍率を解説した記事をご覧ください。

対象になる現在のお墓

公式資料では、現在使用している施設として次の種別が挙げられています。

現在使用している施設 施設変更制度の対象として案内されているか 注意点
一般埋蔵施設 対象 墓石・外柵などの撤去と更地返還が必要になります。
芝生埋蔵施設 対象 墓碑の撤去や原状回復の内容を霊園に確認します。
小型芝生埋蔵施設 対象 区画の仕様により撤去作業の内容が変わります。
壁型埋蔵施設 対象 一般墓とは返還作業が異なるため、管理事務所で確認が必要です。
みたま堂(長期収蔵施設) 対象 納骨堂型の施設です。必要書類や遺骨の扱いを事前に確認しましょう。

改葬先は小平・八柱霊園の合葬式墓地

公式資料では、施設変更後の改葬先として小平霊園・八柱霊園の合葬式墓地が案内されています。ただし、年度により実施の有無や受入霊園、受付期間等は異なるとされています。

そのため、古い情報だけを見て判断せず、毎年4月以降に、現在使用している都立霊園の窓口へ確認することが大切です。TOKYO霊園さんぽのFAQでは施設変更制度を年に3回募集していると案内されていますが、公式PDFでは年度により実施の有無・受入霊園・受付期間が異なるとも記載されています。希望する年に実施されるかどうかは、必ず使用中の霊園窓口で確認してください。

注意:施設変更の手続きは「使用中の霊園」で行います。

都立霊園には、住所変更などを別の霊園窓口で手続きできる「どこでも窓口」があります。しかし、公式FAQでは、納骨・埋改葬、墓所工事、墓所返還、施設変更の手続きはご使用の霊園に限ると案内されています。まずは現在お墓がある霊園へ連絡しましょう。

費用:無料になるもの・自己負担になるもの

施設変更制度で特に誤解しやすいのが費用です。公式資料では、合葬式墓地について「使用料・年間管理料は不要」とされています。一方で、現在のお墓を更地にする費用は使用者の負担です。

項目 費用負担 解説
合葬式墓地の使用料 不要 施設変更後の合葬式墓地については、公式資料で使用料不要と案内されています。
合葬式墓地の年間管理料 不要 施設変更後は、使用者自身がお墓を管理する必要がありません。
現在のお墓の更地化費用 使用者負担 墓石・外柵・基礎・植栽などの撤去、整地費用が発生します。
閉眼供養・魂抜き 必要に応じて自己負担 宗教者へ依頼する場合は、お布施や謝礼が必要になることがあります。
遺骨の取り出し・運搬 内容により自己負担 石材店や霊園の指示に従って進めます。見積もり時に必ず確認しましょう。

墓じまい費用は「区画の広さ」と「撤去しやすさ」で変わる

都立霊園の墓じまいで大きく変わるのは、現在のお墓を更地にする費用です。墓石が大きい、外柵が重厚、基礎が深い、車両や重機が入りにくい、植栽が多いといった条件では、撤去費用が高くなりやすくなります。

石材店経験者の一次情報:最初に確認すべきは「撤去費用」です。

施設変更制度では、合葬式墓地の使用料・管理料が不要になる一方、今あるお墓の撤去費用は避けられません。現場では「制度を使えば全部無料だと思っていた」という相談がよくあります。まずは霊園に制度の対象か確認し、そのうえで石材店に墓石撤去・更地化の見積もりを取りましょう。

墓石撤去の見積もりは、都立霊園での工事経験がある石材店に依頼すると、霊園ごとの工事届や搬入経路の確認がスムーズです。相見積もりを取りたい方は、石材店の無料相談ページも活用できます。

通常の墓じまい・改葬との違い

都立霊園のお墓を整理する方法は、施設変更制度だけではありません。一般的には、現在のお墓を墓じまいし、民営霊園・寺院墓地・納骨堂・永代供養墓などへ改葬する方法もあります。

比較項目 施設変更制度 通常の墓じまい・改葬
対象者 都立霊園の使用者で承継者がいない方 墓所の使用者・承継者など、現在のお墓を整理したい方
改葬先 東京都の合葬式墓地 自分で選んだ永代供養墓・納骨堂・樹木葬・別のお墓など
改葬先の費用 使用料・年間管理料不要 改葬先の使用料・納骨料・管理料が必要になることが多い
現在のお墓の撤去 必要。更地化費用は使用者負担 必要。撤去費用は使用者負担
個別のお参り感 合葬式墓地のため、個別墓を残す制度ではない 個別墓・納骨堂・永代供養墓など、選び方により異なる
前提が合う人 すでに都立霊園を使用しており、承継者がなく、都立霊園内の制度で整理したい人 場所・供養方法・個別性を自分で選びたい人

通常の改葬や墓じまい全体の流れを知りたい方は、墓じまいの手順と費用もあわせて確認してください。

施設変更制度を利用する流れ

実際の手続きは年度や霊園によって異なりますが、都立霊園の墓じまい・施設変更は、次のような流れで進めるのが現実的です。

現在使用している霊園へ相談する

施設変更の手続きは使用中の霊園で行います。毎年4月以降、実施の有無・受付期間・受入霊園を確認しましょう。

対象者・対象施設に該当するか確認する

承継者がいないこと、現在の施設種別、納骨されている遺骨、使用名義人の状況を確認します。

墓石撤去・更地化の見積もりを取る

一般墓や芝生墓地では、現在のお墓を更地にする費用が発生します。石材店へ現地確認を依頼しましょう。

必要書類と申請方法を霊園窓口で確認する

施設変更は年度ごとに受付条件が変わる可能性があります。使用許可証、戸籍、遺骨に関する書類など、必要なものを窓口で確認します。

遺骨の取り出し・改葬の手続きを進める

遺骨を別の場所へ移す手続きは改葬です。都立霊園の案内に従い、遺骨の取り出しや改葬手続きを進めます。

墓所を更地にして返還する

墓石・外柵などを撤去し、霊園の指示に沿って墓所を返還します。

合葬式墓地へ納骨する

現在のお墓に納骨している遺骨を、東京都の合葬式墓地へ改葬します。

使用名義人本人と配偶者・パートナーも将来納骨できる

公式資料では、現在のお墓に納骨している遺骨に加えて、使用名義人本人とその配偶者(事実婚関係にある方を含む)、または東京都パートナーシップ宣誓制度に基づくパートナーシップ関係にある方が亡くなった際も納骨できると案内されています。自分の代でお墓を閉じたい方にとって重要なポイントです。

施設変更制度の対象になる可能性がある人・制度対象外の人

対象になる可能性がある人

  • 現在、都立霊園の一般埋蔵施設等を使用している
  • 使用許可を受けている名義人本人、または手続きできる立場にある
  • 自分の代でお墓を継ぐ人がいなくなる
  • 現在の墓所を返還し、東京都の合葬埋蔵施設に共同埋蔵することに納得できる
  • 現在のお墓を更地にする費用を負担できる
  • 使用名義人本人や配偶者・パートナーの将来の納骨も含めて整理したい

制度対象外・別手段を検討する人

  • 都立霊園にお墓を持っていない
  • 民営霊園・寺院墓地・納骨堂のお墓を墓じまいしたい
  • 現在の都立霊園のお墓を承継できる人がいる
  • 家名が入ったお墓を残したい
  • 個別のお墓としてお参りしたい
  • 将来、遺骨を別の場所へ移す可能性がある
  • 改葬先を自分で選びたい
  • 永代供養墓、納骨堂、樹木葬、海洋散骨なども比較したい

この制度は、単に「墓じまいをしたい人全般」に向く制度ではありません。あくまで、すでに都立霊園を使用していて、承継者がいない方のための制度です。合葬埋蔵施設は管理負担を大きく減らせる一方で、個別のお墓を残す制度ではありません。家族や親族が今後どのようにお参りしたいのか、納得できるかを話し合ってから進めましょう。

都立霊園の墓じまい費用を比較したい方へ

施設変更制度を使う場合も、今あるお墓の撤去・更地化は石材店の見積もりが必要です。

墓じまいに対応できる石材店を無料で探す

都立霊園の問い合わせ先一覧

施設変更制度については、まず現在使用している都立霊園に相談してください。公式資料に掲載されている問い合わせ先は以下の通りです。

霊園 電話番号 相談時に伝えること
多磨霊園 042-365-2079 施設変更制度を検討していること、使用区画、使用者名義、承継者の有無。
小平霊園 042-341-0050 施設変更制度の受付時期、合葬式墓地の受入状況、必要書類。
八王子霊園 042-663-1533 芝生墓地など現在の施設種別と更地返還の条件。
八柱霊園 047-387-2181 施設変更制度の受付時期、合葬式墓地の受入状況、必要書類。
雑司ケ谷霊園 03-3971-6868 現在の施設が対象になるか、施設変更手続きの窓口。
青山霊園 03-3401-3652 墓所返還、墓所工事、施設変更の受付条件。
谷中霊園 03-3821-4456 現在の墓所の返還条件、改葬手続きの進め方。
染井霊園 03-3918-3502 一般・立体・その他施設の扱いと必要書類。

よくある質問

都立霊園の施設変更制度とは何ですか?

すでに都立霊園を使用していて、お墓の承継者がいない方を対象に、現在のお墓を返還し、納骨されている遺骨を東京都の合葬式墓地へ改葬する制度です。東京都が使用者に代わって遺骨を守る仕組みです。

都立霊園にお墓を持っていない人も施設変更制度を使えますか?

使えません。施設変更制度は、現在都立霊園を使用している方が、使用中の墓所を返還して遺骨を合葬埋蔵施設へ移す制度です。都立霊園にお墓を持っていない方は、通常の墓じまい・改葬・永代供養墓などを検討します。

施設変更制度を使えば墓じまい費用は無料ですか?

いいえ。施設変更後の合葬式墓地の使用料・年間管理料は不要ですが、現在使用しているお墓を更地にする費用は使用者負担です。墓石撤去費用や閉眼供養の費用などは別に考える必要があります。

改葬先はどこの霊園になりますか?

公式資料では、小平霊園・八柱霊園の合葬式墓地が案内されています。ただし、年度により実施の有無、受入霊園、受付期間が異なるため、毎年4月以降に現在使用している霊園へ確認してください。

承継者がいる場合でも施設変更制度は使えますか?

公式資料では、対象は「都立霊園の使用者でお墓の承継者がいない方」とされています。承継者がいる場合は、通常の承継手続きや一般的な墓じまい・改葬を含めて、霊園窓口に相談してください。

施設変更の手続きはどこの霊園でもできますか?

できません。TOKYO霊園さんぽのFAQでは、施設変更の手続きは使用中の霊園に限ると案内されています。現在お墓がある霊園の管理事務所へ相談してください。

使用名義人本人も将来、合葬式墓地に納骨できますか?

公式資料では、現在のお墓に納骨している遺骨に加えて、使用名義人本人とその配偶者(事実婚関係にある方を含む)、または東京都パートナーシップ宣誓制度に基づくパートナーシップ関係にある方が亡くなった際も納骨できると案内されています。

施設変更制度と永代供養墓はどちらがよいですか?

承継者がいない都立霊園使用者で、東京都の合葬式墓地への改葬に納得できる方には施設変更制度が合う可能性があります。一方、場所や供養方法、個別のお参りのしやすさを自分で選びたい場合は、民営の永代供養墓や納骨堂も比較した方がよいでしょう。

まとめ:都立霊園の墓じまいは、まず施設変更制度を確認する

すでに都立霊園を使用していて、そのお墓を墓じまいしたい方、とくに承継者がいない方は、まず施設変更制度の対象になるかを確認しましょう。施設変更制度を使えれば、現在のお墓を返還し、遺骨を東京都の合葬式墓地へ改葬できます。

ただし、合葬式墓地の使用料・年間管理料は不要でも、現在のお墓を更地にする費用は使用者負担です。制度の受付時期や受入霊園も年度によって変わるため、毎年4月以降に現在使用している霊園へ確認し、同時に墓石撤去の見積もりを取るのが安全です。

今すぐやること

  1. 現在使用している都立霊園の管理事務所に電話する
  2. 施設変更制度の受付時期と対象条件を確認する
  3. 使用許可証・納骨遺骨・承継者の有無を整理する
  4. 墓石撤去・更地化の見積もりを取る
  5. 家族や親族に、合葬式墓地への改葬でよいか確認する

都立霊園の墓じまい、撤去費用で迷ったら

制度の確認は霊園窓口へ。墓石撤去・更地化の見積もりは、都立霊園の工事に慣れた石材店へ相談しましょう。

墓じまい対応の石材店を無料で探す

参照資料

情報確認日:2026年5月9日。制度の実施有無・受入霊園・受付期間は年度により異なるため、申請前に必ず現在使用している都立霊園へ確認してください。

コメントを残す

*