「久々にお墓参りをしてみたら、墓石の汚れやひび割れに気づいた」
「いつの間にか、墓石が傾いていた」
そんな経験はありませんか?
お墓は石でできているため頑丈ではありますが、一年中、雨風にさらされています。長い年月のうちに、どうしても劣化していくものです。お墓のクリーニングを利用すれば、墓石は美しくよみがえりますし、あまりに損傷が激しい場合は本格的な建て替えを行えば、安心、安全にお墓参りができるようになります。
お墓のクリーニング、修繕、建て替えといったリフォームの費用と時期について、また、リフォーム時のお布施の有無について解説します。

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お墓のリフォームを検討する時はこんなとき

お墓の建て替えを検討する時とは

お墓に関して、以下のような気づきや悩みがあったら、石材店によるリフォームを検討しましょう。

  • 墓石がひび割れた、欠けた、隙間ができた
  • 墓石の黒ずみやシミが目立つようになった
  • 彫刻文字の塗料がはがれた
  • 今彫られている戒名などの代わりに、違う文字を彫ってもらいたい
  • 区画の境界に設けた囲いが劣化してきた
  • 墓石が傾いた、倒れた

墓石表面をクリーニングすれば、黒ずみやシミがなくなりますし、ひび割れや欠けなどは、墓石を交換しなくても補修できる可能性があります。大がかりな工事が必要かどうかは、破損の程度によりますので、まずは石材店に見積もりをもらうのが大事です。

 

 

お墓のリフォームは内容で費用相場が違う

お墓のリフォーム内容による費用相場の違い

お墓のリフォーム費用は、内容によって相場が違います。各作業における費用相場は、以下の通りです。

 

墓石に関するリフォームの費用

墓石に対するリフォーム費用は、修繕の内容や破損の程度によって違います。

 

墓石表面のクリーニング

墓石の黒ずみやシミ、水垢、コケなどの除去は、程度の軽いものであれば1万円ほどで済むことがあります。ただし痛みがひどい場合や、汚れが墓石全面に広がっている場合には、10万円ほどかかるケースもあります。

 

墓石の研磨(削り直し、磨き直し)

クリーニングでは取り切れない汚れがあるときは、墓石の表面を削る作業が必要です。費用相場は20万~30万円です。作業のために墓石を一度移動させなければならない場合は、費用が高めになります。

 

墓石のひび割れや欠け、つなぎ目の修繕

墓石専用の接着剤やコーキング剤を使って補修します。5万~10万円が相場で、補修箇所の数や程度によって料金が変動します。

 

墓石の交換

クリーニングや補修ではきれいにならない墓石は、交換対象になります。費用相場は40万円から。墓石の材質や大きさにより価格が変わります。

 

彫刻文字のメンテナンス

彫刻文字の塗料が剥がれた部分を修復する作業は、墓石専用のペンキで行います。費用は5000円~1万円ほどです。

 

彫刻文字の彫り直し

彫刻文字を彫り直す場合、墓石を研磨した上で、改めて文字入れを行います。研磨代は20万~30万円が相場で、文字入れの料金は5万円程度なので、合わせて25万~35万円ほどになります。

 

墓石のコーティング

墓石の表面に保護材を塗布するコーティングを行えば、雨風などの刺激から墓石が守られるため、見た目の美しさが長持ちします。費用相場は5万~10万円です。

 

墓石のずれを直す

墓石がずれてしまったら、墓石を本来の位置に戻す作業と、接着し直す作業が必要です。軽微な補正であれば3万円程度で済みます。しかし、大きくずれてしまっている場合や、破損の修復が必要な場合は、10万円以上かかることもあります。

 

以上のように、破損の程度によっては、墓石を交換してしまった方が割安となる場合もあります。

 

外柵、石塔、基礎、その他に関するリフォームの費用

 

外柵の修繕

墓地区画を囲っている外枠を、外柵といいます。基礎となるコンクリートの上に、石材が組まれているのが一般的です。外柵のひび割れや欠け、汚れの修繕は、程度の軽いものであれば数万円で済みますが、大がかりな工事は30万円以上にもなることがあります。

 

墓石まわりにある墓誌や石塔の修繕・建て替え

墓石のまわりに建てられている石塔や、埋葬されている人の戒名等が刻まれた墓誌を修繕したい場合は、軽微な補修であれば1万円から、破損が大きい場合や建て替えが必要な場合は10万円以上かかるケースがあります。

 

花立てなど付属品の交換

花立てや香炉などの付属品を交換したい場合は、1万~5万円が相場です。

 

基礎の強化

墓石が沈み込んでしまったなど、基礎からの工事を依頼するときには、一般的な基礎工事の他に墓石の移動が必要なため、100万円を超える費用がかかることも。それまで使用していた墓石がそのまま使えなければ、墓石代もかかります。

 

 

お墓のリフォームの手順

お墓のリフォーム内容による費用相場の違い

お墓のリフォームは、以下の手順で行います。

 

1. 墓地の管理者に報告

まずは墓地の管理者に、リフォームが必要であることを報告します。そして、指定の石材店があるかどうかを確認しましょう。
公営霊園の場合は、指定石材店がないため、自分で自由に石材店を選べます。ただ、なるべくお墓を建てたときに依頼した石材店を選んだ方が安心です。
民間霊園は、指定の石材店が存在する可能性が高いでしょう。指定石材店の連絡先を教えてもらいます。
お寺の墓地の場合、ご住職が「知らない石材店に墓地を出入りされるのは不安」と感じることから、「できればここに依頼を」と石材店を指定されるケースがあります。

 

2. 石材店に見積もりを依頼

希望するリフォームを明確にしたうえで、石材店に見積もりを依頼します。石材店を選べる場合は、複数の石材店に見積もりを依頼し、金額を比較するのがおすすめです。
石材店が現地を確認したいと申し出たり、破損箇所や墓石全体の写真をメールで送ってほしいと依頼があったりしたときには、できる限り協力しましょう。より正確な見積書をもらえます。

 

3. 石材店に正式発注

見積額に納得したら、石材店へ正式に発注します。工事の日取りや完成日の目安を確認し、墓地管理者にも告げておきましょう。

 

4. 工事

いよいよ工事が始まります。とくに墓石に対して工事を行う場合には、墓石の魂抜きをする「閉眼(へいがん)供養」を行います。この閉眼供養については、後ほど詳しく説明します。

 

5. 完成・現地確認

お墓のリフォームが完成したら、なるべく早く墓地へ行き、工事が完了したことを確認しましょう。遠方の場合には、石材店に依頼し、施工前と施工後の写真をメールなどで送ってもらいます。完成後は、「開眼(かいげん)供養」を行います。開眼供養についても、後ほど解説します。

 

お墓のリフォームの時期はいつがいい?

お墓のリフォーム時期はいつがいいのか

お墓のリフォーム時期として最適といわれているのが、回忌法要や納骨など、供養の節目となる時期です。法要では多くの親族がお墓参りに訪れるため、それまでにリフォームを終わらせておけば、みんなに新しいお墓を披露できます。

ただ、お墓については「破損や汚れが気になったら、なるべく早く修繕するべき」という考え方もあります。げんに、お墓参りをした際に「こんなに汚れているなんて」と気づいたら、早く直してあげたくなるでしょう。そんなときは、思い立ったが吉日です。

また、墓石の倒壊や外柵の大きな崩れなど、近隣区画に被害が及ぶ恐れがあるときは、速やかな対処が必要になります。

 

お墓のリフォームで発生するお布施

お墓のリフォームをした際に必要なお布施

お墓のリフォームで注意したいのが、お布施の存在です。先ほど少しご案内したように、お墓のリフォーム時には「閉眼供養」と「開眼供養」が行われるのが一般的です。

閉眼供養とは、「抜魂(ばっこん)供養」「魂抜き」とも呼ばれ、墓石を供養の対象から外すための儀式です。一方で、開眼供養とは「魂入れ」とも呼ばれ、墓石を再度、供養の対象とする儀式です。どちらも、僧侶がお墓の前で読経することにより、儀式が行われます。お布施の相場はそれぞれ3万~5万円なので、合計6万~10万円ほどをお寺に納めることになります。

閉眼供養と開眼供養は、昔からお付き合いのあるお寺である「菩提寺(ぼだいじ)」があれば、そこへ依頼します。菩提寺がない場合、民間霊園内の墓地であれば、霊園管理者から僧侶を紹介してもらいましょう。公営霊園はお寺を紹介しないので、親族などに相談し、紹介してもらうのがいいでしょう。神道の場合は、氏子となっている神社に相談します。

なかには、「無宗教のため、閉眼供養や開眼供養は行わない」という人もいるかもしれません。その場合は、石材店に事情を話してみるのが大事です。石材店の中には、「閉眼供養を行わなければ、墓石は動かせない」とするお店もあるためです。

また、外柵だけの工事など、供養の対象である墓石の修繕や移動がなければ、閉眼供養を行わなくてもよいという考え方があります。儀式が必要かどうか、菩提寺や石材店に確認するのが大事です。

 

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