家族葬と密葬の違いは?一般葬と比較したメリット・デメリット

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家族葬の意味とは

いま家族葬を選択する人が急増しています。親しい人たちで行うこじんまりした葬儀を望む人が増えているのです。

しかし、家族葬がどんな葬儀かいまいち分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

家族葬と通常の葬儀では何が違うのか、密葬とは別のものなのか、家族葬のメリット・デメリットにふれながら、解説していきたいと思います。

また、家族葬を検討の方にはぜひチェックしていただきたい注意点についてもご紹介いたします。



 

家族葬とは?

家族葬と密葬は何が違うのかよくわからない人へ

家族葬と通常の葬儀では何が違うのか、かつて密葬といわれていた葬儀とはどう違うのか、家族葬の意味や、一般葬、密葬との違いについてご紹介します。

 

家族葬とは

家族葬とは、家族や親戚を中心に故人と近しい関係にあった人で行う葬儀のことをいいます。

訃報を知らせる範囲や規模に決まりはなく、家族10名程度という場合もあれば、親族や友人らが集まって50名程度になる場合もあります。

 

家族葬と一般葬の違い

家族葬の流れや内容は、一般葬と変わりません。中には、特定の宗教によらない自由な形式の葬儀を行う方もありますが、ほとんどの方が、仏式など、宗教にのっとった葬儀を選択しています。

家族葬と一般葬で異なる点は、葬儀の告知範囲です。一般葬は、広く告知し誰でも参列できるものですが、家族葬では、来てもらい人だけにお知らせします。

そのため、家族葬は、故人を知る近しい関係者の集まりとなり、アットホームなお別れを実現することができます。

また、家族葬プランなど、安価な費用設定を行う葬儀社も多く、費用負担を軽減することもできます。

 

家族葬と密葬との違い

密葬とは、一般の関係者には知らせず、家族や親戚を中心に少人数で行う葬儀のことをいいます。

家族葬という言葉が現れるまでは、身内だけの小規模ば葬儀を密葬とよんでいました。しかし正確には、後日「偲ぶ会」や「社葬・団体葬」など「本葬(ほんそう)」を行うことを前提に用いられる言葉です。

かつて、葬儀は皆が集まって行うものであり、小規模な葬儀は、別に式典を開く予定があるか、特別な事情がある時に限り、行われるものだったのです。

 

家族葬が増えている背景

家族葬が増加している主な理由として、高齢化があげられます。

故人が高齢で、社会的な関係が少なかったり、友人知人も高齢で参列が困難だったりして、自然と家族や親戚中心の葬儀が増えているのです。

また、住宅事情の変化などから近所付き合いが希薄化していく中で、葬儀社の会館サービスが全国的に展開され、隣近所が協力して葬儀を出すという習慣が失われてきました。

このような流れに、葬儀の手間や費用をできるだけ省きたいという遺族側のニーズがマッチして、家族葬を選択する人が増えていると考えられます。

 

 

家族葬のメリット

家族葬の良い面

家族葬のメリットについて、通常の葬儀と比較してご紹介します。

 

費用を減らす

家族葬に必要なものは通常の葬儀と変わりありませんが、参列者への飲食の振る舞いや会葬御礼品などを省略することができます。

また、余計な見栄をはる必要がないため、祭壇やその他生花装飾などをシンプルにすることができます。

多くの葬儀社で「家族葬プラン」という比較的安価な葬儀プランが用意されていて、選択次第では、葬儀費用を大幅に減らすことができます。

 

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遺族の負担を軽くする

葬儀を行う上で、参列者への応対や挨拶、受付など葬儀お世話役の依頼などは、精神的にも体力的にも遺族の負担になります。

また、焼香や弔電での名前の読み上げや順番、来賓席の確保など、一般葬では気を遣うことが多々あります。

しかし、家族葬ではこのような参列者に対する負担を省くことができ、近しい関係の人と、ゆったりと故人を送ることができます。

 

自由な葬儀を実現できる

葬儀には形式やしきたりなどが多く、おかしなことをしていないか、参列者がどう思うかが気になるものです。

しかし、家族葬では、世間の目を気にせず、自由なスタイルの葬儀をあげることができます。例えば、宗教によらない自由な葬儀を行ったり、にぎやかな音楽や故人の趣味を生かした装飾を施したり、故人や遺族の希望を実現することができます。

 

 

家族葬のデメリット

家族葬の悪い面を知る

よいことばかりと思われがちな家族葬ですが、実際に行ってみて困ったという声もあります。家族葬のデメリットについても確認しておきましょう。

 

後日の参列や香典の郵送

家族葬を行った場合、後で訃報を知った方が自宅にお参りにくる、お花や香典を送ってくる、ということがあります。

遺族は、その都度対応しなければいけませんので手間がかかる場合もあります。故人の交友関係が広い、家で商売をしている、故人が会社に勤めている、または退職して間がない、故人の年齢が若いなど、参列者が多く予想される場合は、一般的な葬儀を行った方が楽なこともあります。

また、家族葬を行って後日お別れ会を開く、という選択肢もありますので、あわせて検討するとよいでしょう。

 

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香典収入の減少

家族葬は一般参列者にご遠慮いただくことで、その応対や香典返しなどの負担を省くことができます。しかし、一般参列者からの香典をいただけず、遺族の費用負担が増えることもありえます。

 

寂しい葬儀と感じてしまうかも

参列者が少ないと、寂しい印象をもってしまうことがあります。特に、葬儀会場が広い場合にはそう感じてしまいがちです。事前の会場選びには十分注意しましょう。

 

 

 

家族葬の注意点

家族葬を検討の際に注意するポイント

家族葬を行う上でふまえておきたい注意点をご紹介します。

 

家族・親族の理解

まずは、家族、親族の理解を得ておくことが大事です。家族葬が主流になってきたとはいえ、多くの参列者に来ていただくべきと考える人も少なくありませんので、注意しましょう。

特に、親戚を呼ばず家族のみで行う場合は、事前の説明や後日の挨拶状送付など、丁寧な対応を心がけましょう。

 

適当な葬儀会場選び

葬儀会場によって、アットホームなお葬式と感じるか、寂しいお葬式と感じるかが大きく変わります。

訃報の連絡先と大体の参列人数を想定してから、実際に葬儀会場を見学し、規模に応じた会場を選択しましょう。

 

家族葬が適しているか考える

故人の交友関係や職業、生前の活動などから、本当に家族葬が適しているのか考えましょう。場合によっては、後日の参列や香典の郵送などの対応におわれて、葬儀の際に一括で参列してもらえばよかったと思うこともあります。

また、家族葬の後に偲ぶ会などを催す、という選択肢もあります。

 

故人と生前に関わった人に配慮を

葬儀は、その人の人生をしめくくるセレモニーです。人は様々な関係の中で生きているものですから、遺族だけでなく、故人が人生で関わってきた人たちにも、お別れの場がもてるよう配慮することも大事です。

また、遺族にとって、葬儀が、故人が生前にお世話になった方々へのお礼の場でもあることも忘れてはいけません。故人の友人知人に葬儀を知らせなかった、または、参列をご遠慮いただいた場合には、後日、訃報と無事葬儀を終えた旨をお知らせする挨拶状を送ると丁寧です。

 

 

 

まとめ

家族葬は、手間が省けたり、費用を抑えられたり、通常の葬儀よりも遺族の負担が少ない葬儀といえます。

また、ゆったりとしたお別れの時間を過ごせたり、故人の意思や人柄を反映した葬儀を実現したりすることができる、というメリットもあります。

しかし、かえって手間がかかったり、礼儀を欠いてしまったりする恐れもありますので、安易に選択してしまわず、家族間、親族間で十分相談しながら決めるようにしましょう。

 

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